新たな道筋開く
(写真)志位議長の英語版著書を紹介したイラク共産党紙の紙面
【カイロ=米沢博史】イラク共産党の機関紙「タリーク・アッシャアブ(人民の道)」は12日、日本共産党の志位和夫議長の著書『自由な時間と資本論--マルクスから学ぶ』(「緑本」)の英語版について、同党のサラム・アリ国際責任者が書いた書評を掲載しました。
「マルクスに立ち返る--『自由に処分できる時間』の概念を軸に『資本論』を捉え直す新刊書」と題した書評は、まず本書が「資本主義批判と、その先の社会のあり方を理解する統一的な視点を示している」と評価しています。
「読みやすさと理論的深さを組み合わせ、基礎的な問題からより高度な分析へと進む、体系的で分かりやすい入門書」と紹介。第1部では、社会主義を国家統制ではなく、一人ひとりの自由で全面的な発達を社会の基本原則とするものとして捉え、社会主義への誤解を正しているとしています。
第2部では、搾取や労働時間の長さを巡る闘いを明快で分かりやすい言葉で説明し、『資本論』を「変革と希望の書」として描き、現代の労働と格差の問題に直接語りかけていると紹介しています。
第3部では、マルクスの思想の発展をたどり、「自由に処分できる時間」が未来社会の展望の中心となったことを明らかにしているとしています。
本書は、社会の豊かさは物質的な生産だけでなく、自由な時間の拡大や人間の発達、人類と自然との持続可能な関係という観点からも捉えるべきだと論じ、利潤追求を優先する社会から時間を取り戻す重要性を強調していると伝えています。
「世界的な格差や環境への負荷、ワーク・ライフ・バランスを巡る議論があるなか、本書はマルクスの思想の今日的意義を浮き彫りにし、経済や社会の将来のあり方を考える新たな道筋を開くもの」と締めくくっています。

