再発防止策のまとめでこう宣言していました。「安全最優先、透明性の向上に努めてまいります」。20年ほど前、巨大地震の震源域の真上にある浜岡原発でいくつもの不正があったと発表した中部電力です▼そこには新たなとりくみとして、安全教育の実施や「不適合情報」を言い出しやすい仕組みづくりがあげられていました。しかしそれは、うわべだけのものでした▼東電・福島第1原発の事故後もデータ改ざんなどの不正をくり返し、ついに経営トップの辞任と再稼働にむけた審査の申請取り下げまで発展。調査委の報告書は、自分たちの行為を正当化する「極めて特異な考え方」が社内にあったと指摘しました▼再稼働を急がせる経営陣のもと、独自の判断で不正を正当化。結果として安全性に問題がなければルール違反はやむをえないといった理屈がまかり通ってきました。相次ぐ不祥事にも「同じような考え方が根底にあるように見受けられるものもある」と▼安全を軽視する組織の体質は中電に限ったことではありません。各電力会社による不正や隠蔽(いんぺい)は後を絶たず、原発推進の政府をはじめ、原子力ムラの独善的な構造がそれをつくりだしています▼今回明らかになった中電のデータ不正は外部からの通報で発覚し、原子力規制委は見逃していました。いま求められているのは再稼働した15基と審査中をふくむ全原発の徹底した調査ではないか。口先だけの安全最優先はいらない。
2026年9月17日

