イスラエルによるガザ攻撃と相まって、同じく同国が占領するヨルダン川西岸地区で、武装したユダヤ人入植者の暴力が激化しています。パレスチナ人住民が住居や農地を奪われ強制的に立ち退かされています。占領地への入植は国際法に違反する蛮行です。断じて許されません。
■欧州の姿勢に変化
イスラエル支持の姿勢が強い欧州でも、ガザ攻撃停止を求める世論が高まるにつれ、各国政府の姿勢に変化が生まれています。英仏カナダなど12カ国は8日、共同声明を発表し、西岸のユダヤ人入植地拡大を非難するとともに、入植地産品の輸入を禁止する制裁を発表しました。
現在パレスチナ自治区になっているヨルダン川西岸地区は1967年以来、イスラエル軍によって占領されています。イスラエルはパレスチナ人の土地を強奪し、自国のユダヤ人を入植させてきました。ガザ攻撃の開始以来、暴力的な入植地拡大が特に激しくなっています。
国連などによると、西岸でイスラエル軍や武装入植者に殺されたパレスチナ人住民は2023~25年に1244人にのぼります。06~22年の17年間、犠牲者が1036人だったことと比べて大幅に悪化しています。
銃による殺害、家屋侵入、器物損壊、窃盗、放火のほか、家や集落を包囲して水、電気の供給を絶って住民を追い出していることも報告されています。イスラエル軍の容認・支持のもとで暴力が横行しています。
占領地住民を強制的に追放し、自国民を移住させることは、ジュネーブ第4条約(文民保護条約)で禁じられています。国際司法裁判所(ICJ)は24年7月、イスラエルが西岸などを占領し続けていることを国際法違反とする勧告的意見(判決)を言い渡しましたが、イスラエルは無視し続けています。
■日本も制裁加われ
イスラエルの蛮行は米トランプ政権に支えられています。同政権は1期目の20年1月、イスラエルの主張を丸のみした「和平」案を発表しました。▽西岸地区の治安権限はイスラエルが持つ▽既存のユダヤ人入植地を容認する▽エルサレムをイスラエルの首都と認定する▽パレスチナ難民の帰還権は認めない―というものです。国際法も、占領地からの撤退を求めた国連決議も無視した内容です。
英国のミリバンド外相は8日、下院で、入植者の暴力を「入植者テロリストによる民族浄化」と厳しく非難し、「新たに包括的制裁を行う」と宣言しました。
国連総会は24年9月、ICJの勧告的意見を受け、イスラエルに1年以内の占領終了を求め、加盟国には対イスラエル制裁を呼びかける決議を採択しました。
賛成した日本政府の役割が問われます。攻撃型ドローンをはじめイスラエル製武器の輸入を防衛省が検討していることは重大です。計画を破棄しなければなりません。両国で検討を進めた経済連携協定の締結もやめるべきです。英国などとともに制裁に加わり、米国にイスラエル支援の中止を迫る必要があります。

