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2026年9月15日

主張

気候変動と災害
前例のない行動で危機打開を

 気候変動が急速に進み、人類の前途を脅かしています。

 ネパールと中国の国境で発生した大規模な土石流は、死者・行方不明者7千人を超す未曽有の大災害で、国際的な救援強化が急務です。

 原因は氷河と岩盤の崩落とされます。国際総合山岳開発センターによれば、ヒマラヤ一帯では氷河の溶解が10年前の1・65倍と加速し土石流や洪水が頻発しています。

 日本でも記録的猛暑、渇水、台風多発、集中豪雨などの気候災害が相次いでいます。欧州では猛烈な熱波で3万5千人超が死亡したと報じられ、山火事による避難者は約30万人にのぼりました。

 災害激甚化への備えとともに、気候危機を打開する抜本的な対策強化が一刻の猶予もない緊急課題であることを見せつけています。

■数年内に1.5度超

 世界各国はパリ協定にもとづき、世界の平均気温の上昇を産業革命前水準から1・5度までに抑えることを目標に、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を大幅に減らすべく努力してきました。

 2日に公表された国連環境計画(UNEP)の報告書は、気温上昇が数年以内に1・5度を超え気候変動によるリスクが危機的に高まると警告しました。各国が公約した温室効果ガス削減目標が達成されたとしても1・8度上昇するとして「前例のない行動」が重要だとしています。

 気候変動は緊急の脅威であり、その対策はすべての国の法的義務です(国際司法裁判所の勧告的意見)。とりわけ温室効果ガスを大量に排出している国は大きな責任を負っています。世界第5位の日本を含む排出大国は削減目標を大胆に見直し、責任を果たさなければなりません。

 ところが、世界第2位の排出大国アメリカのトランプ大統領は気候変動対策に背を向け、パリ協定を離脱しました。気候変動枠組み条約事務局長が「巨大なオウンゴール」であり米国自身に否定的な影響が返ってくると警告するなど内外から厳しく批判されています。

■日本の責任果たせ

 高市早苗政権はトランプ大統領の要求に応じて、米国内での化石燃料開発への協力とLNG(液化天然ガス)購入というあからさまな協力姿勢をとっています。国内でも、石炭火力発電の延命など化石燃料への固執を強めています。原発の再稼働で再生可能エネルギーの出力抑制が拡大しているのに、2050年代までに最大14基の原発を建設するとし、再エネ普及を妨害しています。

 国連のグテレス事務総長はUNEP報告書を受けて、「1・5度目標のための闘いは人類のための闘いだ」と強調し、化石燃料の段階的廃止と再生可能エネルギー革命の加速など、「野心的な目標をさらに上回る」ことが必要だと呼びかけました。

 政府は、これに応えて気候変動対策に真剣に取り組むべきです。排出削減目標を排出大国にふさわしいものへと引き上げなければなりません。化石燃料からの脱却、原発ゼロ、省エネルギー対策と再生可能エネルギー利用へと抜本的な転換が急務です。