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2026年9月15日

きょうの潮流

 「バイスタンダー」という言葉をご存じでしょうか。緊急事態が起きている現場に居合わせた人を意味し、職場などでの差別的言動への対処としても、その役割が注目されています▼この言葉は男性の生きづらさや暴力の問題に取り組む臨床社会学者・西井開(かい)さんの新著『転落男性論』で知りました▼会社の会議で女性の発言が「長い」「感情的」と揶揄(やゆ)される、親戚から「結婚はまだか」「子どもは?」と詮索される、DVについて「夫婦はどっちもどっち」といなされる、性被害に遭った女性の服装が取り沙汰される…。そんな場面に出くわして何も言えずに後悔した経験はありませんか▼さまざまな事情から「それはハラスメントです」と注意できない場合の介入法を西井さんに聞きました。コーヒーカップを落とす、電気を消す、被害者を別の場所に連れて行く。撮影や録音、メモなどで記録する。事後に被害者に「大丈夫ですか」「私は見ていました」と声をかける。相談窓口につなぐ等々▼「暴力や差別は権力関係の上から下に起こると把握した上で、小さなアクションでも積み重ねていくことに意味があります。一人では難しいので、チームで対応できるように普段から話し合える仲間を持っておくことが必要です」▼「半径5メートルの中でもできることは多い」と西井さん。差別を生む社会の構造を見据えつつ目の前のハラスメントを黙認しない一人ひとりの行動が求められています。