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2026年9月13日

9・11から25年 「テロとの戦い」で甚大被害

悲劇利用した憎悪扇動は犠牲者に泥

米NYで追悼式典

 日本人24人を含む約3000人が犠牲となった米同時多発テロから11日で25年になりました。最大の犠牲者が出たニューヨークをはじめ米国や世界各地で追悼式典が行われました。式典では遺族から、9・11を機に米国内で深刻化した差別や分断に反対する声も上がりました。また国連の専門家や米反戦団体からは、「テロとのたたかい」がもたらした甚大な被害や現在に続く悪影響についての批判や根源的な問い直しの声が上がりました。


 米同時テロでハイジャックされた旅客機が衝突したニューヨークの世界貿易センタービル跡地で11日に行われた式典には、バンス副大統領や歴代の大統領経験者、ニューヨークのマムダニ市長らが参列しました。航空機がビルに衝突した時刻には黙とうが行われ、遺族が犠牲者の名前を読み上げました。

 テロで父親を亡くしたマイケル・マッサロリさんは「この悲劇を利用して憎悪を広めることは、犠牲者の遺産に泥を塗ることになる」と強調。当時6歳だったマッサロリさんは、人々がイスラム教徒や「見た目が違う人たち」を憎む理由として9・11を引き合いに出す状況を目の当たりにしてきたとし、「それは間違っているし、犠牲者に敬意を払うことにならない」と述べ、差別をやめるよう訴えました。

 市庁舎前では同日、「反イスラムデモ」が行われていました。ニューヨークで初のイスラム教徒の市長であるマムダニ氏を巡っては、式典への欠席を求める署名が取り組まれるなど、「イスラム憎悪」の動きもあります。

 トランプ大統領は、別のハイジャック機が激突したワシントン郊外の国防総省で行われた式典で「『テロとのたたかい』に従事した軍関係者に敬意を表する」と演説。イランを「テロの最大の支援者」などと描き、「これがわれわれが今日もたたかう理由だ」として、今年2月に開始したイラン攻撃を正当化しました。

 人権団体「米イスラム評議会」のニハド・アワド事務局長は同日に声明を出し、9・11で負った心の傷が不当に利用されたことで、市民の自由が徐々に奪われ、違法な差別を常態化させ、世界中で多くの人々を犠牲にする「終わりなき戦争」を招いてきたと批判。団結し、「あらゆる場所で、人間の命という普遍的な価値のために立ち上がらなければならない」と呼び掛けました。 (石黒みずほ)