最も多かったのは「収入への不安」でした。こども家庭庁が若者10万人を対象に調査した結婚へのハードルです▼住居の資金不足をあげた人も3割いて、20代前半までの女性では「家事や子育て分担の偏り」の割合が高い傾向に。結婚よりも余暇や趣味を楽しむことを優先するとした若者は半数以上にのぼりました▼調査には、およそ3人に1人が「結婚するつもりはない」と回答。そのうち、結婚したいとは思わないとした人は約半分にとどまり、条件さえ整えば踏み出せると考えている人は少なくありません▼奨学金返済の負担もハードルの一つです。現在、大学生のほぼ2人に1人が奨学金を受けているといいますが、返済が結婚に悪影響を与えると思っている大学生・大学院生が7割以上もいるとの調査結果もあります。長時間の労働や低い賃金をふくめ、少子化や人口減少の背景からみえてくるのは困難を抱えながら生きる若者の姿です▼こども家庭庁は若い世代の結婚の動向が子どもの数にも影響しているとしていますが、誰もが自分にとっての幸せを追求できる社会の基盤をつくることが政府の役割ではないか。支援の手をすぐにでも▼同庁の大規模調査には、生活満足度の低さと、孤独や孤立感の高さがはっきりと。人付き合いがうまくいかない、人を信頼することが難しいと感じている若者たち。かれらが将来の展望や希望をもてない現実こそ、この国が直面している危機です。
2026年9月9日

