お茶の水女子大学(東京都文京区)は2027年度からの約11万円の学費の値上げとともに最大月12万円の寮費の新寮開設を計画しています。学生は「学費値上げ・新学生寮家賃に反対する学生有志の会」をつくり、値上げに反対しています。(染矢ゆう子)
有志の会のメンバー、小川沙織さん(仮名、22)は現在大学院生。同大の築45年の小石川寮で生活しています。寮費は月4300円。水光熱費を合わせても月1万円ほどで居住できます。
親族の仕送りでも
老朽化した小石川寮は29年3月に廃寮が決まっています。現職員寮を改築して同年4月までに開設する寮の寮費は最大12万4000円です。研究者をめざす小川さんは同年度も博士課程に在籍予定です。小川さんの仕送りは親族の支援があり月12万円。その寮費では「とても暮らせない」と話します。小川さんが大学に申し入れると大学側は小川さんが学部時代に住んでいた月6万5000円の寮への入寮が可能だとのべました。
しかしその寮は倍率が高く、現在も希望者全員は入れません。入寮は院生より学部生が優先です。
同大学周辺の家賃相場は1ルームで月10万円ほどです。「院生が住むところがなくなる。安い寮に入れなければ、上京できない人もうまれる」と危惧します。
小川さんがXで「学生寮でその家賃取るのどうなんだ?」「院生はどこに住めっていうんだ?」とつぶやくと「高すぎる」「署名とか手伝う」と反応がありました。関心のある学生に声をかけ、有志の会を結成。7月末に学内で4日間「寮費月12万円って知ってる?」「学費・寮費値上げにNO」などのプラカードを掲げて4~9人でスタンディングをし、8月にオンラインでアンケートを集めました。アンケートには8月23日時点で152人が回答。寮費について88%が「妥当でない」「やや妥当でない」とし、学費値上げについても74%が「反対」「やや反対」と答えました。同月24日の説明会ではアンケートをもとに大学に説明を求めました。
値上げを止めたい
大学側は学費の値上げ理由について「手元に具体的な数字はない」という回答に終始しました。寮費に関しては説明会で言及はありませんでした。小川さんは「今後も学生との合意形成の上で寮費を決定するようには見えなかった」と話します。有志の会は説明会が対面開催のみであったため、参加できなかった学生のために共有する手段を検討しています。交渉の結果、大学は17日にはオンライン参加が可能な説明会を開催します。 小川さんは言います。「大学の経営が苦しいのも理解するが、それで学生の生活を苦しくするのは日本全体の研究の衰退を招く。学ぶ意欲のあるすべての女性の夢の実現の場になる大学にするために学費・寮費の値上げを止めたい」
民青も一緒に学ぶ権利訴える
有志の会には、民青同盟お茶の水女子大学班のメンバーも参加しています。同班は8月31日、最寄りの東京メトロ茗荷谷駅(東京都文京区)前で学ぶ権利を保障する国の義務を消去する自民党の改憲案と大学の学費値上げを批判し、スタンディングを行いました。「高等教育無償化どこいった?」などのプラカードを持って、学ぶ権利の実現とアンケートへの回答を呼びかけました。参加した4年生は「大学院に行こうと考えているので値上げはひとごとじゃない」と話します。別の4年生は「大学は結論ありきで学生の声を受け止めようとしない。一人でも多くの学生に声をあげようといいたい」とチラシを配っていました。

