在日米軍基地が「日本防衛」とは関係のない米国の無法な戦争の出撃拠点になっています。米国による国際法違反の先制攻撃で始まったイラン戦争に在日米軍が加わっています。日本にある主要な米軍基地の部隊がほとんど参加しているのが特徴です。これを野放しにしている高市早苗政権の責任は重大です。
■「日本防衛」と無縁
イラン戦争参加の主な在日米軍部隊は次の通りです。
▽横須賀基地(神奈川県)を母港にするミサイル駆逐艦ミリアスが3月、イランに対し巡航ミサイル・トマホークを発射しました。8月末現在、横須賀基地が母港の空母ジョージ・ワシントンとミサイル駆逐艦4隻がアラビア海にいます。9月1日からの大規模なイラン攻撃でも、これら駆逐艦がトマホークを発射した可能性があります。
▽岩国基地(山口県)の空母ジョージ・ワシントン艦載機部隊も1日からの攻撃に加わっていることが濃厚です。
▽沖縄駐留の第31海兵遠征部隊(31MEU)が3月から7月にかけ、佐世保基地(長崎県)を母港にする強襲揚陸艦トリポリなど揚陸艦3隻とともにアラビア海に展開しました。イランへの海上封鎖作戦で、商船の臨検・拿捕(だほ)などを行いました。
▽三沢基地(青森県)のF16戦闘機12機が3月に対イラン作戦に参加しています。これに対しイランのアラグチ外相は「(米軍)基地が受け入れ国を守るためではなく、攻撃的な政策に使われていることを示した」と述べています(「共同」8月30日付)。
政府はイラン戦争への在日米軍の参加について「米軍の部隊をわが国から別の地域に移動させることは日米安全保障条約上問題なく、事前協議の対象とならない」とします(茂木敏充外相、4月9日、衆院安全保障委員会)。
「事前協議」は、1960年の日米安保条約改定時に日米が交わした「岸・ハーター交換公文」で定められています。日本への米軍の配置や装備における重要な変更、日本の基地からの戦闘作戦行動は、日本政府との事前協議の対象になるというものです。
■「移動」容認の密約
当時、日本政府は、米軍が自由に核兵器を持ち込んだり、日本の基地を戦争に利用したりさせないための制度だと宣伝しました。
しかし、日米両政府はその裏で、核兵器を搭載した米軍機や米艦船の日本への立ち寄りや通過、米軍の日本の基地からの「移動」は事前協議を必要としないという密約を結びました。米軍が日本から戦争に出撃しても、別の地域に「移動」し、そこで戦闘の命令を受けたことにすれば、事前協議は必要ないことになります。
在日米軍は、ベトナム戦争やイラク戦争など海外の戦争に繰り返し出撃してきました。しかし、これまで一度も事前協議はありません。
米国の同盟国であるスペインやイタリアがイラン攻撃で自国内の米軍基地の使用を拒否したのとは対照的です。日本でも、米国言いなりではなく、主権国家として米軍の出撃をきっぱり拒否できる政治への転換が必要です。

