2027年度予算編成に向けた各省庁の概算要求は一般会計の要求総額が143兆円を超え過去最大を更新しました。補正予算に頼ってきた恒常的な施策を当初予算に一体化したことに加え、高市早苗首相が推し進める「強く豊かな日本」投資枠に要求上限を設けなかったことで大幅に膨張しました。
■大企業に「青天井」
軍事費も概算要求として最高額を計上しました。軍事と大企業にばらまくための「青天井」の要求です。暮らしと国の財政を圧迫し、「戦争国家づくり」を進める予算を転換すべきです。
「強く豊かな日本」投資枠は、高市政権の「成長戦略」を進める予算です。17の戦略分野を指定し、40年度までに官民合わせて370兆円を超える投資を行います。AI・半導体、軍需産業、情報通信、航空宇宙など、いずれも財界が国の支援を求めている分野です。官民の配分は決まっていませんが、半分を官が支出すれば、毎年10兆円以上の支出増になります。
過去、自民党政権が行った大企業支援は法人税減税などが中心でした。それを温存したまま、大企業に直接、巨額の予算を注ぎ込みます。新たな投資枠への要求は各省庁合計で12兆円あまりでした。
経済産業省は新たな投資枠での4兆5250億円を含め、一般会計で4兆9782億円を要求しました。26年度当初予算の13倍です。
新たな投資枠では、金額を示さず、事業項目だけを示す「事項要求」も認めました。実質的な要求額がさらに膨らむおそれがあります。
軍事費にも事項要求が多く、過去最大8兆8908億円の要求が、今後の「安保3文書」改定を受け、10兆円を超すと見られます。
巨額なばらまきによって財政悪化が避けられません。高市政権は財政運営の指針である「骨太の方針」で、財政の「一時的な悪化も許容し得る」としています。概算要求では国債の利払い・返済に充てる国債費が過去最大36兆6386億円に膨らみました。
財政悪化を見越して、すでに金融市場で国債が売られ、長期金利が上昇しています。概算要求締め切りの翌日、1日の債券市場でも国債が売られ、長期金利が30年ぶりの高水準となりました。
長期金利の上昇は国の利払いを増やし、社会保障などの予算を圧迫します。財政への不安から外国為替市場で円が売られ、異常な円安が続いています。円安は輸入物価の上昇を通じて国民の暮らしを圧迫します。
■富を働く人に回せ
無謀なばらまきは、暮らしも財政も破綻させ、日本の平和を危うくします。予算のあり方を抜本的に見直さなければなりません。大企業と軍事への大盤振る舞いをやめ、社会保障や教育に思い切って予算を配分すべきです。
財源の確保が決定的に重要です。不公平税制を正し、大企業・富裕層に対して利益にふさわしい税負担を求める「タックス・ザ・リッチ」への転換が急務です。働く人が生み出す富を、働く人と国民の手に回す抜本的な改革が求められています。

