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2026年9月2日

きょうの潮流

 左足の全体にケロイドが残り、左足首は90度以上伸ばせませんでした。4歳の時、爆心地から約2キロ離れた広島市内の自宅で被爆しました▼高校時代から始めたサッカーは左で蹴ることができず、右のキック力とボールを奪うタックルを磨いて日本代表に。4月、85歳で亡くなったJリーグ・サンフレッチェ広島、初代総監督の今西和男さんです▼クラブの強化に責任を持つゼネラルマネジャーの草分けとしても活躍。当時、無名だった森保一(はじめ)・現日本代表監督を見いだすなど、多くの人材を発掘し育ててきました。その功績が認められ「日本サッカー殿堂入り」。きのう式典が行われました▼少年時代は「やけどがうつる」といじめられ、短パン姿にも抵抗があったといいます。それでも「被爆してから、気持ちが救われたのは、広島に野球、サッカーがあったから」▼指導者としてよく口にしたのは、「サッカー選手である前によき社会人であれ」。聞くこと、伝えること、考えることの大切さを説きました。森保監督は「私にとって指導者であり、先生であり、父親です」▼広島の「めざすサッカー」の冒頭には、「フェアであること」があります。総監督時代につくったものと本人からうかがいました。選手とはファウルでやられ損になるなどと激論になったものの、「世界を見据え、フェアに技術を磨こう」との結論に。経緯をうれしげに包み込むように語る姿が、今も目に浮かびます。