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2026年9月2日

沖縄知事選 対決構図は鮮明

県民のリーダー デニー知事か、国の奉仕者 自民推薦候補か

 「自己決定権を持ち、県民のために奉仕するリーダーか、国の論理に合わせ、国のために奉仕するリーダーか。この選択だ」(8月29日、那覇市で玉城デニー知事)―。高市政権による沖縄県知事選(13日投票)への異常な選挙介入が強まる中、「高市政権対県民」という対決構図が鮮明になってきました。一方、古謝陣営は組織戦・宣伝戦で大きく先行しています。地元紙の琉球新報は1日の情勢調査で、「横一線」と報じました。重要なのは、回答者のうち5割が投票先未定であることです。選挙戦はこれから、勝敗を分ける決定的な局面に入りつつあります。平和な沖縄の未来を展望し、「誰ひとり取り残さない優しい沖縄」を掲げるデニー知事の3選へ、いまが正念場です。

「横一線」突破へ全力

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(写真)訴える玉城デニー知事=8月30日、沖縄県うるま市

 告示2日前の8月25日、有力候補の一人だった下地幹郎元衆院議員が突如、自民党本部との政策合意で立候補を取りやめました。県内では「有権者を愚弄(ぐろう)している」(沖縄タイムス27日付社説)などと強い批判が起こりました。「下地おろし」を主導した鈴木宗男参院議員は30日、那覇市内での講演で、高市早苗首相の意向を踏まえたものであり、「沖縄のためだ」と主張しました。“何が悪いのか”という居直りです。

 有権者からは「国はここまでやるのか、怖い」「高市首相の思い通りにさせてはだめだ」との声が相次ぎ、下地氏の支持者にも「今回はデニーさん」という声が広がっています。

 苛烈な沖縄戦と米軍による占領支配、復帰後の過重な基地負担―。国策によって苦難の歴史を押しつけられてきた沖縄では、保守であれ革新であれ、国に言うべきことを言うのは、当たり前の政治姿勢でした。ところが今回の県知事選で自民党が推す古謝玄太氏は、「国のせいにして、大企業・県外資本を悪者にしても未来は変わらない」などと繰り返し、国言いなり・大企業の利益最優先の姿勢を露骨に示しました。名護市辺野古の米軍新基地建設を巡っても、前回・前々回の知事選での自民系候補は民意をおそれ、新基地の是非を隠しましたが、古謝氏は公然と「容認」を掲げました。民意軽視・国言いなり姿勢は明らかです。

 これに対してデニー知事は、「私は言うべきことは言う側だ。辺野古新基地は絶対に造らせない」(30日、名護市内での演説)と力強く訴えています。

基地返還も経済発展もデニー氏でこそ

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(写真)市民に囲まれる玉城デニー知事=8月29日、那覇市

 論戦は、すでに決着がついています。玉城デニー県政の下で県経済は着実に前進し、2025年度は観光客数が1000万人、税収が1兆円を突破。26年度は過去最高となる9468億円の予算案を提案し、全会一致で可決されました。

実績否定できず

 古謝陣営はこうした実績そのものは否定できず、県民所得が全国最下位だとして、「県民所得2倍」を目玉政策に掲げました。しかし、その実現は「10年後」であり、年7~8%という、高い経済成長率が必要となります。非現実的だという批判が相次ぎ、8月27日の知事選告示後は口にできなくなっています。

 辺野古新基地建設を巡っても、古謝氏は「普天間飛行場の一日も早い返還のために辺野古を容認する」と表明しました。しかし、辺野古を普天間返還の条件にしたがために、「返還」合意から30年たっても返還が実現していないことは、周知の事実です。軟弱地盤の工事は難航を極め、今や政府も明確な返還期日を示せなくなっています。

 加えて、米国防総省は、辺野古ができても、「長い滑走路」を用意しなければ普天間は返還しないと表明しています。念頭にあるのは那覇空港です。デニー知事は「那覇空港に米軍が使う余地はない」と主張。古謝氏は那覇空港の米軍基地化に対して明確な見解を示していません。

 しかし、組織戦・宣伝戦では古謝陣営が大きく先行しています。

組織戦自民先行

 際立っているのは、期日前投票への組織的な動員です。県選管によれば、28~30日の3日間の期日前投票数は1万8572人で、18年に次いで過去2番目の多さです。2日には大票田の那覇市内で5000人規模の集会を開き、そのまま期日前投票に動員することが予想されます。

 SNSを通じてのデニー陣営に対する攻撃も、かつてない規模になっています。大半は県外から発信されているとの報道もあり、組織的な動きとみられます。

 立候補を取り下げた下地幹郎氏を巡っては、自民党県連は同党本部と下地氏が頭越しに政策合意をしたことに反発し、「下地氏とは接触も交渉もしない」方針を決定しました。ところが古謝氏は8月31日、宜野湾市での演説で、「下地幹郎さんと自民党本部の協定で、(普天間基地の)返還期日について話があった。しっかり確かめながら進めていきたい」と述べ、連携を示唆しました。なりふりかまわず下地氏の支持基盤を取り込む狙いです。