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2026年9月1日

主張

防災の日に考える
生命・財産守る安全保障直ちに

 高市早苗首相は「国民の生命と財産を守るのは国の究極の使命」だと言います。ならば、災害への備えと救援、生活・生業(なりわい)の復旧・復興支援こそ優先すべきです。日本では数年に一度大地震が起き、毎年豪雨に見舞われ、多くの人が家や財産を失い、酷暑や厳寒の中での避難生活で命を落とす現実があるからです。

 災害発生から6~48時間で避難用テント、トイレ、ベッド、シャワーが整い温かい食事が提供されるイタリア、2024年の大地震の際、3時間後にはテント、ベッド、女性や特別支援者用の寝室が設置され、温かい食事が提供された台湾―。これに学び、最低でも段ボールベッドや間仕切り、キッチンカーやトイレカーが求められてきました。

■1週間後も雑魚寝

 しかし、避難所の雑魚寝(ざこね)、パンばかりの食事、不衛生なトイレという状態が、度重なる大震災を経ても十年一日のように変わっていません。

 7月28日に起きた熊本地震でも避難所に間仕切りや段ボールベッドが入り始めたのは1週間後。10日後でも持参の毛布を敷いて雑魚寝の避難所がありました。避難所に冷房がないなどで車中泊が多数出ました。避難所に指定された公立小中学校体育館の冷房設置率は33%です(26年5月)。

 こうした状況を改善するには抜本的な国の予算投入が不可欠です。しかし、高市政権ではそうなっていません。

 体育館へのエアコン設置費は1校あたり約5千万円とされます。米国から最大400発導入する計画のトマホークミサイルは1発7億円で総額2791億円。5600の体育館にエアコンを設置できます。冠水したアンダーパスへの進入を防ぐ自動遮断機の設置費は、製造・販売会社によれば800万~2千万円です。

■軍事優先転換せよ

 高市政権は「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」だと危機をあおって、来年度予算の軍事費概算要求では総額8・9兆円を要求。「専守防衛」を逸脱した敵基地攻撃能力強化のため長射程ミサイル導入費など5400億円を盛り込んでいます。事項要求を含めると予算編成で9兆円を超すのは必至です。一方、11月にも発足する防災庁の概算要求額はたったの651億円です。「安全保障」として軍事が最優先されています。

 熊本県の陸上自衛隊健軍(けんぐん)駐屯地には長射程ミサイルが配備されていますが、他国に向けて使われる戦争となれば県民の命も財産も守られないでしょう。戦争は外交と国際的取り組みの強化で防ぐことが可能で、それが政治の絶対的役割です。地震は人間には防げず、自然災害は現実に毎年被害をもたらしています。

 国民の生命・財産を守るには、軍事対軍事で戦争の危険を高める敵基地攻撃ミサイルにかける税金を避難所整備や復旧・復興に使うべきです。

 広域合併や公務員削減でマンパワーが足りず、防災拠点に届いた支援物資を各避難所に速やかに運べない、病院の統廃合や病床削減で緊急時の余裕がない、現状の被災者生活再建支援金では住宅再建は無理―この現状を変えるには軍事一辺倒の高市自維政治の転換が必要です。