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2026年9月1日

軍事費 10兆円超えか

概算要求 防衛省金額示さぬ項目多数

 防衛省は31日、2027年度予算の概算要求を決定し、過去最大の8兆8908億円を求めました。さらに、年内に軍事費の大幅増額が焦点となっている安保3文書の改定を控え、金額を示さない「事項要求」を多数盛り込みました。


グラフ

 現行の安保3文書の策定直前の23年度の概算要求でも事項要求が100項目を超え、その後に編成された予算は要求額より約1・2兆円膨らみました。年末の予算編成で10兆円を大きく超える恐れもあります。積算根拠を国民に隠したまま、秋の臨時国会でも議論させずに、年末に軍事費を大幅に増やす狙いです。

 高市政権は、軍事費の国内総生産(GDP)比2%への増額目標を25年度に補正予算などを合わせ前倒しで達成。さらに米トランプ政権は3・5%、年24兆円規模の増額を求めており、新たな安保3文書ではこの目標を盛り込むかが最大の焦点です。

 高市政権は、軍事費の増額を正当化するため「経済成長に貢献しうる『投資』として意義」があると強調。軍拡を「投資」と言い換えて、成長戦略に軍需産業を組み込む狙いです。戦争から利益を得る「軍事依存経済」にし、国家財政のあり方もゆがめます。

 自衛隊の指揮統制システムに人工知能(AI)を初めて導入します。陸海空自を一元的に指揮する統合作戦司令部にAIを使った意思決定支援システムを整備。情報を分析し、目標を選定するなど意思決定を高速にします。米国がイラン攻撃などですでに導入していますが、民間施設への誤爆などAIの判断の誤りが問題になっており、こうしたシステムに自衛隊が組み込まれる恐れがあります。

 無人兵器について「スタンド・オフ・ミサイルと組み合わせて」、「反撃能力(敵基地攻撃能力)としても活用」する方針を初めて盛り込みました。長射程ミサイルと長射程無人機を組み合わせて、違憲の敵基地攻撃を行う狙いです。

 長射程ミサイルを巡り、音速の5倍以上で飛ぶ「極超音速誘導弾」を水中から発射できるタイプの開発費を初計上。潜水艦で隠れながら長距離攻撃できるミサイルの導入は相手にとっては脅威であり、緊張を高める恐れがあります。

 「継戦能力」を強化するため、政府が弾薬などを供給する工場や設備を取得し、民間が運営する「国有施設民間操業(GOCO)」を初めて盛り込みました。事実上、旧日本軍が保有していた「工廠(こうしょう)」=国営武器工場の復活です。