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2026年8月31日

きょうの潮流

 災害列島と呼ばれる日本ですが、今年の夏はとりわけ深刻です。最大震度7を記録した熊本地震。その被害からの復旧もままならない中、各地で起きた豪雨災害。命に関わるような酷暑も全国に広がりました。災害が住民を苦しめています▼本紙日曜版で漫画家のますむらひろしさんが、宮沢賢治原作の童話「グスコーブドリの伝記」を連載しています。主人公ブドリの住む「イーハトーブの森」は天候不順で飢饉(ききん)に見舞われます▼ブドリとその妹のネリは食べるものにも事欠き…。その後の展開は連載の続きをお読みいただくとして、自然災害が人びとにどんなに苦難をもたらすかが、この童話には描かれています▼賢治の生まれ育った東北では冷害による凶作がしばしば起き、農民たちが窮状に陥っていました。有名な「雨ニモマケズ」にも「サムサノナツハオロオロアルキ」とあります。「グスコーブドリの伝記」には、そんな農民たちをなんとか救いたいという思いが秘められているようです▼賢治は農学校の教師を務め、退職後は農民たちの肥料相談などにも応じていました。8月27日が生誕130年。37年の短い生涯でしたが、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉を残しています▼災害に苦しむ人をはじめ、世界全体の幸福を願った賢治。その志を受け継ぎ、現代に生かしていきたい。なによりも被災者や弱者に冷たい政治を変えることです。