高市早苗首相は、沖縄戦の「慰霊の日」(6月23日)の沖縄全戦没者追悼式の来賓あいさつで、自民党の政権復帰以降初めて「基地負担軽減」の文言を使わないばかりか、同日の会見で「南西地域はわが国防衛の最前線」「在日米軍は無くてはならない存在」だと公言しました。沖縄の軍事要塞(ようさい)化を進めるために、「県政奪還」に執念を燃やしています。「沖縄を二度と戦場にさせない」と奮闘する玉城デニー知事の知事選(9月13日投票)必勝と、沖縄統一地方選での日本共産党18予定候補の全員勝利がいよいよ重要です。
(写真)沖縄県や地元自治体が中止を求めるなか強行されたパラシュート降下訓練=2月3日、米空軍嘉手納基地
今月10日、米空軍嘉手納基地(嘉手納町など)では危険なパラシュート降下訓練が強行されました。同訓練は、「日米特別行動委員会(SACO)」最終報告(1996年12月)で、伊江島補助飛行場(伊江村)での実施が合意されていましたが、近年、嘉手納基地での強行が常態化しています。
米軍は伊江島の滑走路の不具合を口実に2023年12月に嘉手納基地での同訓練を強行。25年12月に同滑走路の運用を再開し「口実」がなくなったあとも7回行うなど23年12月からわずか3年足らずで26回強行しています。これは、SACO最終報告以降、23年12月に訓練を強行する前までの27年間で実施された14回の約2倍です(グラフ)。
パラシュート降下訓練を強行する米軍のやりたい放題に対して、嘉手納町議会は23年12月以降16回にわたり抗議の意見書を全会一致で可決。県議会も抗議の意見書を全会一致で可決(先月13日)しています。
米軍は、こうした県民の“総意”を平然と踏みにじっています。嘉手納基地の海軍駐機場から発生する騒音や排ガスの悪臭に苦しむ住民の声を受け、日本政府は157億円もの莫大(ばくだい)な移転費を負担し駐機場を「移転」しました。しかし、旧海軍駐機場の使用が続いています。しかも、戦闘機がエンジンを稼働させながら給油する危険な「ホットピット」が相次いでいます。
他にも、騒音・悪臭を発生させる、ヘリコプターの整備格納庫の建設に着手(24年)。航空機のさびを防ぐために洗浄・塗装をする「防錆(ぼうせい)整備格納庫」の建設を計画するなど住民の被害への配慮はカケラもありません。
また、在沖縄海兵隊は沖縄に配備した高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」と、りゅう弾砲を撤去し最新鋭の無人地対艦ミサイル「NMESIS(ネメシス)」などに置き換える予定を中止し、ネメシス配備後も継続配備する方針です。
高市政権は、こうした米軍の横暴を容認し続けています。
自衛隊の増強も進んでいます。米海兵隊普天間基地(宜野湾市)では今年、「慰霊の日」前日に、日米共同訓練で陸上自衛隊のV22オスプレイが初飛来しました。同共同訓練でV22は宮古島の宮古空港も初めて使用。石垣空港にも飛来しました。さらに今後、最低安全高度(人口密集地で300メートル)以下での訓練を那覇空港と与那国駐屯地で行う計画です。
さらに、陸上自衛隊第15旅団が師団へと格上げされ、隊員も1・7倍の3900人に大幅増員されます。敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルの配備も狙われています。
デニー知事は「軍事負担の増加、住民不安の高まりにつながる南西諸島へのこれ以上の自衛隊増強、県民、特に離島住民の生活に影響を及ぼす日米共同軍事訓練に反対する」ときっぱり述べています。

