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2026年8月27日

普天間基地 固定化へ300億円超も

「補修事業」が拡大 デニー知事勝利で止める

 1996年の米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)「返還」合意から30年。日米両政府は、名護市辺野古の米軍新基地建設が普天間基地返還の「唯一の解決策だ」といって強行しながら、完成の見通しも立っていません。その一方、普天間基地の固定化と強化につながる工事が今年10月以降に相次いで計画されています。9月の県知事選での玉城デニー知事の勝利が、こうした暴挙を止めるために不可欠です。(田中正一郎)


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(写真)米軍普天間基地の駐機場に並ぶ軍用機(左)と「補修」が行われている施設群(その右)=7月25日、沖縄県宜野湾市

 「基地の補修に外来機の増加。ここにいると本当に返す気が無いと肌で感じる」。同基地の滑走路の延長線上にある緑ケ丘保育園の神谷武宏園長はこう怒りをにじませます。2017年、同保育園と近隣の小学校には軍用機の部品が相次いで落下。25年度の外来機の飛来は過去最多で、F35戦闘機などの離着陸の際には爆音が響き渡ります。「大人でも耳を押さえなければ痛くてたまらない爆音。でも園庭で遊ぶ1歳、2歳児にはそれができません。返還されるべき基地なのに強化されている」

合意に盛り込む

 96年の合意では、新基地の完成・普天間返還は2003年ごろでしたが、「辺野古に新基地は造らせない」という住民らのたたかいに阻まれます。そうした中、12年の日米合意に普天間基地「補修事業」が盛り込まれました。雨水・汚水排水施設や隊舎など5施設を皮切りに、防衛省の老朽化調査を経て対象は基地全体の6割を超える24施設に拡大。13年度から23年度末までに18施設の「補修」名目の米軍「思いやり予算」で合計192億円にのぼる工事を契約、「部分返還」など全体の発注額は217億円まで積み上がりました。

 直近の3年間の契約を見ると、24年度には格納庫や倉庫、隊舎の改修として22億円を契約。25年度は「取りやめ」となって実行されなかったものの、年度当初には格納庫の補修73億円、管理棟の補修12億円など87億円の予算を割り振っていました。

 26年度は、米軍再編経費の「地元の負担軽減に資する措置」として38億円を計上。格納庫の改修に加え、今後着工が見込まれる食堂改修の設計、電気設備・給水施設改修の調査検討業務が予定されています。24施設全ての事業が実施されれば補修経費は300億円を超える可能性があります。

滑走路の改良も

 米軍による工事も行われています。17年には滑走路の改良、老朽化した照明システムの更新などを実施、娯楽室を含む米兵宿舎の改修も行われています。

 さらに米国防総省は27会計年度(26年10月~27年9月)予算案に、新たな燃料供給施設の建設費3790万ドル(約60億円)を計上。普天間基地の唯一の燃料供給手段となっている桑江タンクファーム(北谷=ちゃたん=町)は6マイル(約10キロ)離れており、「脆弱(ぜいじゃく)」であるとしています。12年以降の工事は基本的に「老朽化対策」を口実にしていましたが、燃料供給施設の新設は、「有事」に攻撃を受けることを想定した、明らかな基地強化です。

 また、米海兵隊は「26年度海兵航空計画」に、今年10月以降、普天間基地の大規模な滑走路「補修」に着工する計画を明記。「完成まで8~10年かかる」とされる大型の軍事的建設「MILCON」に位置づけられています。工事の目的は「国家防衛戦略を支援するため」としています。

 普天間爆音訴訟団の玉元一恵事務局長は、「米軍、沖縄防衛局に抗議していますが返答はありません。住民を無視したまま進めるのが『普通』になっています」と語ります。「銃剣とブルドーザー」で奪った土地に造られた違法な基地に返還条件を設けること自体がおかしいと指摘。「政治の矛盾が沖縄と基地所在地に押しつけられています。住民と一緒に声を上げてくれるのはデニー知事しかいません」