「図書館のエアコンが去年から故障中で、夏休みなのに子どもたちが使えない」。帰省先でこんな話を聞き驚きました。中学校の近くにあり、生徒たちがよく利用していましたが、今はごく一部しか使えず、長時間の滞在はできません▼「平成の大合併」で1市8町が合併した市で、図書館は旧自治体に一つずつ。他の図書館を利用したくても、路線バスはなく、自転車で気軽に行ける距離でもありません▼市は空調設備を修繕せず、今後は規模の縮小なども検討しています。住民からは「早くエアコンを直して今の図書館を使えるようにしてほしい」「合併後、地域からいろんなものがなくなって不便になる一方だ」などの声が出ています▼今や図書館は、本を借りるだけの場所ではありません。猛暑のなか、涼しさを求めて訪れる人は多く、自治体も「クールシェアスポット」として活用を呼びかけています▼子どもたちが気軽に利用できる居場所として、学校に行きたくない時や家に帰りたくない時、図書館に来てみませんかと呼びかける発信も広がっています。ある中学生は「学校に行くのがつらくて、かわりに図書館に行ったら、職員さんが何も話しかけずに見守ってくれた。ここにいていいんだと思えて救われた」と言います▼「本を借りる場所」から「誰もが安心して過ごせる場所」へ。役割を広げる図書館を身近な場所に残し、充実させる―。それこそが行政のやるべき仕事では。
2026年8月26日

