日本共産党の師岡(もろおか)美紀氏(53)=新=が維新の会・新人に5416票差をつけて競り勝った長野県議補選(欠員1、9日投票)・上田市小県(ちいさがた)郡区のたたかいは、要求対話で積み重ねた顔の見える関係づくりと、寄せられた声を生かした訴えが1人区の勝利まで押し上げる力になりました。(長野県・水野力夫)
(写真)バンザイで当選を喜び合う(前列の右2人目から左へ)渡辺、師岡、高村の3氏=9日、長野県上田市
1議席を争った選挙戦は、新人4人のうち師岡氏以外は市議や首長選など立候補経験がありました。競り合ったのは師岡氏と維新の元市議(37)、無所属の男性(47)の3氏。結果は師岡氏が18650票、得票率で39%を獲得して勝利しました。出口調査などによると師岡氏は無党派層と中道改革連合支持層からそれぞれ4割の支持を得て、一部保守層も引き寄せました。
日本共産党県議団は、6人の交渉会派となり、代表質問権を回復しました。
師岡氏は4月の立候補表明から3000を超える対話を積み重ね、幅広い団体・個人と懇談。寄せられた声を書きとめ、選対と共有して自身の訴えに生かしてたたかいました。演説原稿の見直しは80回以上に及びました。選対は集いや演説会でマイクを握った医療・介護、農業、教育分野の現場の声を生かし医療・介護特集のチラシなど10種を発行しました。
選挙期間中も熊本地震の発災に機敏に対応し、原爆の日には平和の思いを訴えました。あるベテラン党員は、「語りやすい選挙だった」と振り返りました。
住民の声一つ一つを大切に 共感広げる
(写真)開票翌日に結果を報告する(左から)渡辺、師岡の両氏=10日、長野県上田市
22年間議席を守り続けてきた日本共産党の高村京子元県議が女性後援会長として支え、上小更埴(じょうしょうこうしょく)地区委員会は党議席回復へ力を集中しました。渡辺正博地区委員長は「地域に共産党県議は必要、『今回は師岡(もろおか)さん』との声が次第に大きくなった」と話します。
女性後援会は一人ひとりが力を出し合うこと、平和と暮らしの願いを壊す高市自維政権にノーの声をあげる選挙と位置づけ、暮らしと平和を願う思いを共有して選挙をたたかいました。
集いに登壇した会計年度任用職員は「時間外はタダ働き、処遇改善をしてほしい」、看護師は「人員不足の解消は行政の力が不可欠」とスピーチ。共産党の議席回復は平和と暮らし、地域医療に直結すると浮き彫りになりました。
告示日には、保守系の元市議や議長、現職県議が応援を表明するまでに広がり、他党で活動する人もビラの証紙貼りに参加しました。
30年間、看護師・ケアマネジャーとして在宅医療に携わってきた師岡氏が「自分の殻を破り前に進んでいく生き方をしよう」と決意を語ったことが党員・後援会員の思いを一つにしました。インスタグラムとX(旧ツイッター)で具体的な声や要望の書き込みも共感を呼び、Xにアップした医療・介護の政策ビラは表示回数で8・1万回にのぼりました。
他方、維新の会は県議会で初議席獲得を狙い県内外の党幹部が県議補選に集中、最終盤の6日、8日には6人の衆参国会議員が街頭に立ちました。告示日から政党の宣伝カーで吉村洋文代表の声を流し、政権与党を前面に押し出しました。
(写真)党会議で選挙の振り返りを語る師岡氏(正面)=19日、長野県松本市
共産党県議団はわがこととしてたたかい、政党カーの弁士を連日担いました。4日の遊説では、宣伝を聞きつけた女性が家から出てきて「今まで共産党に関心がなかったけど、最近は共産党しかないと思っている。頑張ってください」と激励。高市自維政権と対峙(たいじ)し、地域医療を守り抜く訴えに期待が集まりました。
渡辺地区委員長は、統一地方選のたたかいは既に始まっていると強調。「今回は補欠選挙特有の条件下での勝利で、来春は各党派が激突します。反転攻勢の一歩を踏み出したことに確信を持ち、9月末までの飛躍期間を成功させて自力をつけて来春を迎えたい」と語りました。

