「天下の貨財は私すべきものにあらず」。大阪商工会議所の初代会頭で企業人をとりまとめ、危機に陥った大阪経済を再建したと評される五代友厚の言葉です。「国家国民を幸福ならしむる」と、企業が生み出す富を社会に還元させ人々を豊かにする道を追求しました▼近代大阪をつくったもう一人が大阪市長を務めた関一(はじめ)。大阪市の公共の力を発揮し交通、住宅、社会政策、都市建設にとりくみ、「大大阪」の建設者と評されます。2人に共通するのは住民の苦難に心を寄せ、大阪の経済力、都市力、公共力をつくりあげたこと。時代が変わっても高く評価されるゆえんです▼それに対し、住民の困難に心を寄せず、大阪市を廃止して府知事が唯一の指揮官となる「都構想」に固執しているのが吉村知事ら維新です▼都構想で狙うのは、不要不急の大型開発とカジノなど一部企業の金もうけ支援。大阪市から権限と財源を奪い取り、府内の自治体支配や合併もたくらんでいます▼大阪市は廃止・4分割によって経済・都市・公共力が解体され衰退すると強い批判が上がっています。住民の暮らしや賃上げ、中小企業の支援には背を向け、地域への富の還元も望めません▼五代が掲げた「よく集めよく散じ、人を益する」とは正反対の私利私欲ぶりは、住民との矛盾を深めざるをえません。大阪市の存続を求める府市民の連帯で都構想を許さず、経済・都市・公共の再生へとつなげていくときです。
2026年8月25日

