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2026年8月24日

きょうの潮流

 死と向き合った体験は揺るぎない信念を育てました。「生きててよかった。何の名誉よりも、生きることが大切なのだ。だから、生きることを奪い去る争いが、いちばんいけない」(『死んだらいけない』)▼世界各地の戦場を取材した報道写真家の石川文洋さんが亡くなりました。88歳。レンズを通して伝え続けたのは戦争の実態と、ふるさと沖縄の「命(ぬち)どぅ宝」でした▼映画好きが高じて進んだ写真の道。やがて、戦争とはどういうものか知りたいとベトナムへ。そこで見たのは人間を狂気にさせる恐ろしさと、女性や子どもたちが犠牲になる光景でした。それは自身の祖父が戦死した沖縄戦と同じ姿でした▼軍隊は民間人を守らない、武力で平和はかちとれないと、くり返し訴えてきました。「美しい海に囲まれ、南国の樹木が風に揺れ、三線(さんしん)の音が響く基地のない平和な沖縄に」と玉城デニー知事を心から応援していました▼石川さんが「赤旗」を読み始めたのはベトナム戦争を取材していた頃でした。ともに反戦平和を掲げ、権力と闘う「赤旗」にはたびたび登場。日本が二度と戦争にかかわらないようにと共産党にも期待を寄せてくれました▼穏やかな表情の裏にあった強い信念。現実を映し出す写真には、冷徹さとともに人間へのあふれる愛情がにじんでいました。80歳をすぎてからもカメラをぶら下げ、旅をしていた文洋さん。人生は創造だといいながら、新たな出会いを求めて。