ロシアの裁判所は17日、相次いでウクライナ戦争に反対している野党「ヤブロコ」に対し厳しい判決を下しました。ロイター通信などが報じました。ウクライナ戦争でロシア国民の不満が鬱積(うっせき)しており、危機感を募らせたプーチン政権が、9月の下院選挙を野党弾圧の強硬策で乗り切ろうとしているとの見方が出ています。
一つはヤブロコのシュロスベルグ副党首に対しての判決です。同氏が昨年1月にユーチューブの討論番組でウクライナでの即時停戦を求めた上、番組の動画をSNSに投稿したことが、軍の信用を失墜させ、軍に関する虚偽情報を拡散させたとして、ロシア西部プスコフの裁判所が禁錮11年1月を言い渡しました。
同氏は判決前の最終陳述で「政治裁判であり、私はその犠牲者だ」と訴え、開戦から4年半が経過したウクライナ戦争の即時停止を改めて求めました。
一方、ロシア最高裁判所は10日にヤブロコを9月に予定されているロシア下院選から排除する決定をしていましたが、17日に異議申し立ても棄却しました。
ヤブロコは公的に登録されている政党で、唯一、2022年に始まったウクライナ侵略を批判し、停戦を呼びかけてきました。9月の下院選に向けても「平和と自由のために」をスローガンに選挙運動を行っていました。
ロシア国内の石油精製施設や物流施設が無人機攻撃の標的になり、ガソリン不足が深刻化しています。また、ロシア兵士の犠牲が多いのも国民の厭戦(えんせん)につながっています。独立系メディア、メディアゾナによると、戦争で死亡した23万9354人のロシア兵の個人名が特定されており、実際には推計で35万人以上が犠牲になっているとされます。
シュロスベルグ氏は最終陳述で、ウクライナ戦争の間に「何千もの、数知れない人たちの命が断たれた。その人たちの数や名前が公になったとき、すべての国民はこの殉教者のリストにおののくだろう」と訴えました。
国民の不満は支持率にも表れています。ロシア政府系機関「世論基金」が7月に発表した世論調査では、プーチン大統領の支持率は66%となり、22年のウクライナ侵略開始後では最低の水準となりました。

