「人として死ぬことも、人間らしく生きることも許しませんでした」。7歳の時に広島で被爆した日本被団協の児玉三智子事務局次長は、原爆の恐ろしさを訴えながら若い世代へこう伝えました▼「青い地球を守るのか、破滅の道を選ぶのか、いま岐路に立っています。私は命あるかぎり、みなさんとともに歩みます」。核兵器をなくす力は、あなたたちにあるのだと▼東京大空襲で家族を失い3歳で孤児となった吉田由美子さんは、戦争は大切な人の命を奪うだけでなく、残された人の人生も変えてしまうと。そして「私は今日、平和のバトンをみなさんに託します」と呼びかけました▼戦争体験者や証言者による、被害や加害、抵抗の歴史。戦後80年の節目に、その記憶と向き合った若者たちの活動が『高校生につなぐ戦争証言』(地平社ブックレット)にまとめられ、今月発売されました▼戦争や被爆の実相を学んだ高校生たちは、語り手の痛みや苦しみ、平和への強い思いを受け継いでいく大切さを口々に。「知る」で終わりとせず、「戦争をさせない」ために自分たちはどうしたらいいのか、そこまで結びつけないと意味がないという感想も▼終戦から81年。語り継いできた戦争体験の「生の声」を直接聞くことのできる最後の世代といわれる高校生たちが示した、それを引き継ぐ意志。この国の政府が戦後の歩みに逆行するなか、平和をつくる担い手として希望の光をともしています。
2026年8月15日

