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2026年8月13日

第30回党大会成功、統一地方選勝利 全国地方議員・候補者決起集会への報告(抜粋)

2026年8月7日 「飛躍期間」推進本部長・書記局長 小池晃

 日本共産党が7日に開いた「第30回党大会成功、統一地方選勝利 全国地方議員・候補者決起集会」での小池晃書記局長の報告の抜粋(地方政治、地方議員・候補者の役割にふれた第3~5章)とまとめを紹介します。報告の第1章は「党大会をめざす党づくり―『飛躍期間』成功へ」、第2章は「党創立記念講演をよく学び、議論し、徹底的に生かそう」です。

3、地方政治を変え、国の政治を動かす、日本共産党の役割を大きく語ろう

(1)地方政治をめぐる二つの流れの中で、住民の切実な要求をどう実現するか

 次に、地方政治の現状と課題、日本共産党の役割についてのべます。

 地方政治をめぐっては、二つの大きな流れがぶつかっているのが大きな特徴です。

①弱肉強食の新自由主義、「戦争する国」づくり--自民党の悪政を地方に押し付ける流れの強まり

--「小さな地方政府」の押し付け 住民と地域に対する公的責任・サービスの縮小・後退

 地方自治体の本来の使命は「住民福祉の増進」(地方自治法第1条の2)であるはずですが、90年代以降、弱肉強食の「新自由主義」が持ち込まれ、自治体本来の役割を壊す政治が押し付けられてきました。

 1997年の「地方行革指針」は自治体の「営利企業」化を進める号令となり、99年の「地方分権推進一括法」により大合併が進められ、地方の衰退、過疎が深刻化し、災害対応力も低下しました。さらに、2005年の「新地方行革指針」により、職員定数の大幅削減や民間委託・アウトソーシングなど「集中改革プラン」が押し付けられ、2018年の「自治体戦略2040構想」では、自治体職員の半減まで狙われています。

 このように自治体が果たしてきた公的責任を放棄し、「民間活力」を旗印に、地方自治と住民サービスを切り縮め、財界のもうけ口に提供する流れを推進してきたのが自民党政治です。弱肉強食、貧困と格差拡大の新自由主義の政治が、地方自治体に押し付けられてきたのです。

 自治体を壊し、自治体労働者を苦しめ、住民サービスを切り捨ててきた政治の転換が求められています。

--国の悪政の「出先機関化」の強まり

 こうしたもとで、自治体には、国の悪政を住民に押し付ける「実行者」としての役割が負わされています。

 国の社会保障削減路線の実行機関として、医療や介護切り捨ての実行を迫られています。国保の都道府県化による国保料(税)の連続的値上げ、急性期病床の半減を狙う「新・地域医療構想」の策定などが進められています。

 介護保険料・利用料の値上げ、要支援の保険給付外しなどの介護サービスの切り捨ても強行されてきました。先の国会で成立した改悪介護保険法によって、中山間地など人口の減少が進む地域を、都道府県が「特定地域」と指定し、在宅サービスを保険給付から外すことなどが可能になったことも重大です。公的介護の後退を許さない自治体での取り組みが求められます。

 教育でも、教育予算の抑制による教育条件の劣悪化(教員の長時間労働と教員不足など)。政府・文科省の圧力のもとでの競争教育、管理教育の強化が進められてきました。

 暮らし・福祉だけでなく、「戦争する国」づくりに、地方を巻き込む動きも急速に進行しています。「敵基地攻撃能力保有」をうたった「安保3文書」により、全国各地に長射程ミサイルが配備され、弾薬庫の整備・拡大、自衛隊基地の強靱(きょうじん)化など、「ミサイル列島」化が着々と進んでいます。

 これも「安保3文書」に基づき、自衛隊などが有事(戦時)に使用する特定利用港湾・空港の指定も進んでいます。一般の港湾・空港を平時から自衛隊が利用できることとし、やがて軍事訓練や人員・物資の輸送など軍事利用するためのもので、すでにこの4月で57施設に及びます。

②地方から住民の切実な要求を実現し、国の政治を動かす

 地方政治では、もう一つの流れも生まれています。

 それは、新自由主義に基づく経済政策が破綻し、「失われた30年」と言われるような事態を生むなど、自民党政治の矛盾が深まるなか、地方で住民の切実な要求を実現する動きが広がり、国政も動かして国の制度を変えさせている流れです。

 その流れをリードしてきているのが、日本共産党、地方議員団の全国ネットワークであり、国会議員団です。いくつか特筆すべき変化を述べます。

 小学校給食の「無償化」がついに国の制度として始まりました。

 10年前には55自治体だった学校給食の無償化が、住民の運動と党地方議員(団)の取り組みによって2023年には722自治体に広がり、ついに2026年度から国の予算として公立小学校の給食無償化措置が始まりました。保護者負担を当然視する行政当局に対して、党の国会議員と地方議員が連携し、憲法が定める義務教育無償の原則や、学校給食法は自治体による助成を禁じていないことを認めさせ切り開いた大きな成果で、子育て世代などから大きな歓迎の声があがっています。小学校給食の公費負担を、さらに中学校へ広げ、そして義務教育の完全無償化に向けた大きな一歩にしましょう。

 子どもの医療費無料化でも国を動かしています。40年来の住民運動と党地方議員(団)の議会での提案・論戦によって、2001年にはすべての市区町村が、都道府県の補助と一体に実施する制度となりました。「高校卒業まで」助成・無料化する市区町村も、2009年の2自治体から2025年4月には1576自治体、91%に広がっています。

 こうした広がりを背景に、国の医療保険制度としても就学前まで2割負担に軽減し、子ども医療費無償化に係る国保の「ペナルティー」も、2024年度から廃止させました。

 国保の「子どもの均等割」の減免も、子育て支援に逆行すると国会や地方議会で論戦し、各地で自治体が独自に踏み出し、国も動かしています。2019年時点の25自治体から、2022年には118自治体へ広がり、こうした運動に押され、2022年度から公費による未就学児の均等割5割軽減が実現。さらに、2027年度から18歳まで拡大されることになったことは大きな前進です。

 中小企業の賃上げへの直接支援は、国がかたくなに拒んできましたが、労働組合の運動や地方議会での党議員(団)の論戦を受けて、北海道、岩手、福島、群馬、茨城、奈良、徳島、長崎などで実施されるようになりました。これを受けて政府も、「重点支援地方交付金」を拡充し、中小企業・小規模事業者の賃上げ支援を始めています。

 補聴器の購入費助成も3年間で4・5倍の550自治体に広がり、厚労省も高齢者の難聴対策を行う自治体への交付金を開始しています。

 これらの成果は、自治体の首長の政治的立場・傾向や議会の力関係をこえて広がりました。その動きをつくった最大の力は、住民の切実な要求に基づく世論と運動であり、それと結んだ日本共産党の地方議員団、国会議員団の論戦や活動が大きな役割を果たしてきました。

 地方政治での政党配置を見ると、依然として日本共産党以外の「オール与党」体制が支配的で、日本共産党地方議員団は唯一の野党として住民の利益を守る立場を貫いて奮闘してきました。当初は、議会では孤立無援で、行政も拒む中でしたが、それでもあきらめずに粘り強く追求し、重い扉を開いてきたのです。

 住民とともに草の根から実現し、全国に広げ、国も動かしたことを大いに確信にし、誇りをもって訴えようではありませんか。

 こうした動きの背景には、住民の暮らしの悪化と地域経済の長期低迷があります。たとえ保守といえども、住民に身近な自治体であるなら、住民の世論と運動が広がれば、それに向き合わざるを得ないことを示してもいます。暮らしを支え、地域を守る要求は、幅広い方々と一致した共同も広げています。来年の統一地方選挙を当面の大きな節として、地方政治を変え、国政を動かす運動と論戦をさらに強めることを強く訴えます。

 今後のいくつかの課題と、留意したいことに触れます。

○国保料(税)の引き下げ

 国保でも二つの動きがぶつかっています。都道府県下の統一保険料化がすすみ、市町村での独自引き下げへの努力を拒否する動きが強まっています。2026年度は、子ども・子育て支援金の上乗せもあり、自治体が発表し、判明しているだけでも、全自治体の8割を超える自治体が国保料(税)値上げを実施しました。

 一方で、均等割の廃止と国庫負担の大幅増額という国保料(税)の抜本的な引き下げにつながる要求を、全国知事会などの地方団体が国に求めています。

 自治体ごとの条件を踏まえた引き下げを求めるとともに、自民党政治による社会保障削減路線と対決する日本共産党が先頭にたち、行政とも連携し、課題を共有し、国にせまる全国的な運動をすすめていきましょう。

○医療・介護の危機打開

 長年にわたる診療報酬・介護報酬の抑制などにより、医療・介護体制の危機が全国各地で起こっています。

 そうしたなか、医療・介護関係者の運動や、日本共産党議員(団)の論戦を受け、地域の医療体制や介護事業を守るための、自治体独自の取り組みが始まっています。

 医療では、地域医療の“最後の拠点”である自治体病院を守るため、医療関係者や住民の要求も受けながら、経営赤字の補填(ほてん)や医師・看護師の確保に向けた、都道府県・市町村の努力が各地で展開されています。

 東京都では2025年、広範な医療関係者による要望・運動や、党都議団の度重なる要求・交渉も受け、民間病院に対する独自の財政支援が実現。期間を区切った時限措置ではありますが、都独自の入院基本料への上乗せや、資材価格の高騰への支援が行われています。

 介護では、“民間任せ”では介護の事業を維持できないと判断した自治体が、社会福祉協議会などに要請して介護事業の実施・継続を図ったり、独自に公費を投入し、介護事業所・施設の経営補償や介護職員の賃金助成に乗りだしたりする経験が生まれています。

 こうした変化に注目し、大きな流れに広げていきましょう。

○中学給食無償化

 中学校給食の無償化、さらに義務教育費用の完全無償化を求め、教育費負担の軽減と、少人数学級の実現で、子どもの成長を保障する教育条件の改善が必要です。

 教職員の多忙化の解消、学校統廃合の上からの押し付け・強行を許さず、子どもの成長を正面にすえ、保護者、教育関係者、地域住民の声を尊重する改革が求められています。

 不登校への対策も重要です。子どもの権利を尊重し、子どもも親も安心できる支援を。過度の競争と管理をやめ、憲法と子どもの権利条約にもとづいて、子どもを人間として大切に育む学校と地域をつくるために、父母、教職員とも力を合わせましょう。

○学校体育館へのエアコン設置は喫緊の課題

 猛暑が命の危険を伴うもとで、党地方議員(団)は、小中学校の教室へのエアコン設置を進め、設置率は99・1%に達しました。

 体育の授業や災害時の避難所になる学校体育館へのエアコン設置についても、党は重点課題として求めてきました。総務省は10年前の熊本地震などを受けて、2017年度補正予算から防災向け地方債の対象に体育館エアコン設置を加え、文科省も2023年度予算で補助率を引き上げ、24年度補正では体育館エアコン設置専用の交付金を設立しました。

 こうした結果、体育館へのエアコン設置も全国的に動きだし、2020年には全国で5・3%だった小中学校の設置率は2026年には33・1%へ前進しています。

 しかし、今回の熊本地震では劣悪な避難所の環境への批判が高まり、あらためて体育館へのエアコン設置を求める声が高まっています。

 体育館へのエアコン設置費用は、1校あたり約5000万円とされていますが、米国から最大400発導入しようとしているトマホークミサイルは1発7億円で、総額は2791億円(防衛装備庁資料より)。これをやめれば、5600の小中学校体育館にエアコンを設置できます。

 「国民の命を守る」というなら、ミサイルよりも体育館にエアコンを。緊急課題として、整備を進めることを大運動にしていきましょう。

○大型開発--公共インフラの整備をどう進めるか

 不要不急の大型開発は、大都市や一定規模の地方都市を中心に、引き続き地方政治の大きな問題です。「税金の使い方」の問題、優先度という視点で「大型開発をやめて暮らしに」という立場は大切です。

 同時に、公共事業の中身については、上下水道、生活道路、学校や公共施設など公共インフラの老朽化対策にシフトすることが必要です。今日の状況にふさわしく、命と暮らしを守る公共の責任を果たすことが、この分野でも重要になっています。

○住宅や公共交通問題でも、公共の役割が問われている

 都市部を中心とした最近の住宅価格、家賃の高騰はまったく異常で深刻です。経済政策全体の改革が急務ですが、同時に、「経済的困窮者に対する対策」にとどまっている住宅対策を、「住まいは人権」の立場から見直す必要があります。

 都議選やこの間の国政選挙でも、新しい住宅政策を発表しましたが、公的住宅の建設、家賃補助などの支援策、住宅価格高騰を招いた規制緩和を抜本的に見直し投機を規制するなど、自治体のまちづくりや都市計画に住宅価格の安定などの観点をすえることなどが大切です。

 公共交通の問題でも、日々の通学、病院通い、買い物など住民の「足」が、運転手不足や運営主体の経営難を理由に、廃止や縮小する動きが急速に広がり、深刻になっています。交通・移動の権利を保障することは公的な責任であり、国とともに自治体としてもその責任を果たす取り組みを求めていきます。党は、公共交通基金を設立し、地方の鉄道、バスを含めた地方公共交通を支援する、という政策を発表しています。国が責任を果たすことが第一ですが、自治体としての努力も求めていきます。

③住民と地域への公共の責任と力を大きくする――公共をとりもどそう

 新自由主義のもとで、住民サービスの切り捨て・縮小、自治体の大合併と公共施設の廃止・統合、民営化や民間委託など公共から民間への丸投げ、住民にかかわる職員の削減・非正規化など、住民と地域に対する自治体の公共的責任が大きく後退させられ、自己責任に押し付けられてきました。こうした中で、「公共をとりもどそう」という運動が起こっています。全労連や自治労連なども、春闘のメインスローガンの一つに掲げています。

 これは、自治体が住民と地域のために働く力をもっと強く、大きくし、今日的に求められる公共の責任、役割を果たす自治体をめざす運動です。このスローガンを、党としても太く打ち出していきたいと思います。

 医療、介護、子育て、保育、住宅、交通など、自治体に求められる役割がますます重要かつ多様になり、解決すべき課題に直面しています。こうした具体的な課題に立ち向かい、住民の要求を一つ一つ実現し、自治体に求められる公共の役割、住民と地域に対する公共の力を大きくしていきましょう。

 そのためにも、地方自治の確立、とりわけ住民自治の発揮が求められています。現実に、まだ少数ではありますが、各地で公共を住民の手にとりもどし、住民の声を大切にする流れが新たに生まれつつあります。

 東京・清瀬市では前市長が、多くの市民に親しまれ利用されてきた地域図書館6館を3館に統廃合を進めました。これに対して大きな市民運動がおこり、タウンミーティングなどを通じて寄せられた市民の声をもとに地域図書館の再生の公約を掲げた、共産党市議団長だった原田ひろみさんが市長に当選。「市民懇談会」を重ねて、地域図書館の再開をめざしています。

 東京・杉並区では、ヨーロッパで水道民営化などを研究してきた岸本聡子さんが、「公共の再生」を掲げて区長に当選し、児童館廃止の動きをストップさせるとともに、政策づくりの過程に区民が加わる「対話の区政」を進め、2期目の選挙で圧倒的な勝利を収めたことは象徴的です。

 弱肉強食の新自由主義が吹き荒れるアメリカのニューヨーク市長選挙では、ゾーラン・マムダニ氏が、住宅、交通、食料などの生活インフラを公的介入によって根本から立て直す、「公共の再構築」をかかげて勝利。さっそく、手ごろな価格の住宅を40万戸確保し、100万戸対象に家賃の値上げを凍結する公約を実現。一方で、超富裕層の別宅への課税制度をつくり、約800億円規模の税収を見込んでいます。さらにマムダニ氏は、「最も裕福な国の最も豊かな都市に暮らすニューヨーク市民が、家族を養うための食費を心配する状況はあってならない」と、生鮮食品や乳製品、主要な生活必需品を、一律30%割引きで提供する“市営スーパー”計画を発表しました。保育やバスの無料化も掲げています。このように、米国でも欧州でも、公共の役割として、住宅や交通にも光があてられ、多くの市民の共感を広げています。

 住民の切実な要求実現が、地方を変えるだけでなく国政も動かし、そして社会のあり方も変えていく、そういう展望をもったたたかいを進めようではありませんか。

(2)暴走する高市政権のもとでの全国選挙--日本の進路を問う論戦を

 二つのぶつかりあう流れを生み出した背景には、暮らしの悪化と経済の低迷のもとで、社会保障や教育で国民に自己責任を求める政治の矛盾の激化があります。そして、最大の力になったのは、住民要求に基づく世論と運動と結んだ日本共産党の地方議員団、国会議員団の論戦や活動です。

 日本共産党は、国政でも地方政治でも、暴走政治に正面から対決し、暮らしを守る抜群の役割を果たしてきました。戦争する国づくりに対して、憲法を守り、反戦平和の立場を貫いて、全国各地での運動を励ましてきました。ジェンダー平等の旗を掲げ、外国人などに対する差別と排外主義とたたかい、人権を守りぬく役割も果たしてきました。

 地方政治をめぐる二つの流れをふまえて、地方政治も国政も変えて、切実な住民要求を実現する展望を示し、日本共産党にこそ、その力があることを大いに語りましょう。

 今回の統一地方選挙は、高市政権が衆議院で圧倒的多数を獲得し、9条改憲、「戦争国家」への暴走を強めるもとでたたかわれる全国選挙となります。

 国政においても地方政治においても、歴史の岐路に、希望の明日を開く、日本共産党の果たす役割を語る選挙にしなければなりません。

 地方議員と候補者が、国政の課題も大いに語って党をつくり、選挙をたたかい抜こうではありませんか。心から呼びかけます。

4、地方選挙勝利へ、議員・候補者の役割発揮し、選挙諸課題の飛躍を

 それでは、選挙勝利をどうきりひらくか。党大会決定、8中総決定でのべている基本方針を堅持しながら、とくに留意すべき点にしぼってのべます。

(1)統一地方選挙勝利への構え--8中総にもとづき選挙の独自課題を前倒しでやりぬく

 第30回党大会を党勢の後退から前進に転じて迎えるなら、直後の統一地方選挙の勝利にとっても大きな政治的勢いと全党の確信をつくりだし、党勢の面での保障をきずくことができます。統一地方選挙勝利のためにも党づくりで目標達成へ頑張りぬくことが不可欠です。

 同時に、8中総決定でのべたように、選挙勝利の独自の活動についても、早い段階で、前倒しでやるべきことをやりぬき、党大会までに勝利に必要な活動をやりぬく構えが絶対に必要です。一刻も早く候補者を決め、選挙課題の推進でも臨戦態勢をとって奮闘を開始しましょう。

(2)要求対話・要求アンケートを戦略的大方針にすえる

 統一地方選挙勝利にむけた課題でまず強調したいのは、「要求対話・要求アンケート」の取り組みです。

 8中総決定では、昨年参院選にむけて取り組んだ「要求対話・要求アンケート」について、6中総後、中央のイニシアチブに弱点があり、中断する結果となったことを、総選挙の反省点として銘記しました。これは、統一地方選挙のたたかいにこそ、絶対に生かさなければいけない教訓です。

 「要求対話・要求アンケート」は、新しい生きた結びつきを広げ、選挙勝利の課題と党づくりを一体的に進めるカナメとして提起したものでした。これを統一地方選挙勝利と党大会成功をめざす今、あらためて戦略的大方針にすえることが重要です。

 オーストリア第2の都市グラーツでは、共産党が得票率36%で第1党ですが、その秘けつは市民との日常的な対話です。そして、対話の際には、たとえば住宅問題で悩みが寄せられても、「私が代わりに解決する」「助ける」とは決して言わず、「一緒に解決しましょう」と言う。そうすれば、市民との関係も継続するというのです。

 先ほど紹介したニューヨークのマムダニ市長陣営は、300万戸を超える戸別訪問を行いましたが、ここでも単なる支持の呼びかけでなく、「会話」を重視するとのこと。マムダニ氏自身も「説教する政治的衝動を、耳を傾ける姿勢に変える必要がある」と語っています。そしてそこで聞き取ったことを政策化し、選挙に勝利し、市長として次々実行に移しています。

 私たちも、各地域で、訪問、街頭、SNSで「要求対話・要求アンケート」に取り組みましょう。有権者の生の声をたくさん聞いて、それを踏まえて政策を打ち出すという、循環型の選挙戦に発展させましょう。

 党の選挙戦のあり方を、一方通行でなく、「循環型・対話型」にするという、一大チャレンジをしようではありませんか。

(3)「比例を軸に」--党そのものの支持を広げることを軸にすえ、候補者の実績、魅力を押し出す

 今一つは、国政選挙、特に衆議院比例代表選挙の勝利へ、党そのものの支持を広げることを軸にすえることです。有権者は、地方政治の焦点や候補者の魅力だけで判断するのではありません。政治への関心も、高市政権の戦争国家づくりへの動きをはじめ、国政問題、さらに資本主義の矛盾などにも向かっています。政党対決の構図を見ても、この間の中間選挙で、参政党や国民民主党などが積極的に擁立し、地方でも政党対決の様相がますます強まっています。そういうときに、狭い地方政治と候補者の活動実績だけの押し出しになってしまっていたら、勝利をかちとることはできません。

 党そのものの支持を広げることをしっかり軸にすえながら、候補者の実績、魅力を浸透させ、勝利をひらきましょう。そのためにも、党の政策、綱領、社会主義・共産主義をよく学び、党を丸ごと語る力をつけましょう。

 学びつつたたかい、たたかいつつ学び、勝利をきりひらこうではありませんか。

(4)選挙必勝へ臨戦態勢をとって「三つの突破点」の推進を

 候補者が決まったら直ちに選対をつくり、選挙必勝作戦を検討し、ポスターや候補者リーフを作成し、候補者が先頭に立って、「集中期間」の成果を生かして立ち上がっていくことが必要です。

 その際、「三つの突破点」にもとづく攻勢的な活動を進めることが重要です。

 まず、選挙と党づくりの一体的追求のカナメをなす「要求対話・要求アンケート」の取り組みに全力をあげることが重要です。年内に、全読者・後援会員を訪問し、告示までに2回、3回と声をかけ、「担い手」を広げましょう。若い世代の要求をつかみ結びつきを広げる「ストリート対話」「シール投票」「公園対話」、要求運動の取り組みの具体化も進めましょう。

 政治論戦の優位を確保するためには、全有権者を対象にした大量政治宣伝が不可欠です。定時定点宣伝をはじめ声の宣伝の目標をもって進めましょう。候補者リーフの作成、議会報告などの文書宣伝、ポスターを張り出すとともに、SNSも活用して、党と候補者が「見える」活動をつよめましょう。

 SNSの取り組みは選挙の勝敗を左右するものになっています。若い世代、サポーターの力も借りて積極的発信を。機関はそのための援助を強めましょう。中央としてのサポートも強めていきます。

 選対局として、「選挙活動の手引き 2026年版」を発行しました。現場の悩みにもこたえて作成したものです。大いに活用し、選挙勝利の力にしていきましょう。

5、全国の地方議員、候補者が、科学的社会主義、党の綱領と規約を深く学び、どんな困難があっても揺るがない政治的理論的確信をつちかって奮闘しよう

 地方議員・候補者のみなさんからのアンケートには、地方議員・候補者活動の誇りや生きがいとともに、悩みや質問もたくさんつづられています。党の地方議員のみなさんが、献身的に、地域住民のため、党のために奮闘されていることに、あらためて感謝したいと思います。それと同時に、党の地方議員が心身ともに健康で、意欲を持って活動できる条件を切り開いていくために、中央委員会としても、さらに力を尽くしていきたいと思います。

 なかでも、党の幹部としての役割を担い、支部活動への援助、議会活動や生活相談、配達・集金活動、大衆運動など、多くの活動に取り組んでおられること。そのため、とにかく時間がない、休みが取れない、じっくり勉強したいけれどできない、健康に不安、家庭との両立に悩むという声も多く寄せられました。地区委員長を兼任している地方議員は全国で60人に上りますが、アンケートでは、「自分の地域の支部との活動にも十分参加できず、地区委員長としても中途半端」と悩まれている人も少なくありませんでした。

 党の地方議員のみなさんが、献身的に、地域住民のため、党のために奮闘されていることに、あらためて感謝したいと思います。それと同時に、党の地方議員が心身ともに健康で、意欲を持って活動できる条件を切り開いていくことが、次の世代に党の議席を引き継いでいくうえでも大切なことと感じました。

 アンケートに「自分ができることは何かと考えると、元気で明るい姿勢を示していくことであり、初心や自分らしさを大切にして活動していきたい」との声がありました。すべての地方議員がこのような思いで活動できるように、中央としても地方党機関と力を合わせて支えていく努力をしていきたいと決意しています。

 地方議員のみなさんが多様な活動に取り組みながら、どうすれば健康を守り、持続可能な形でバランスよくやっていけるのか。日本共産党の地方議員として、誇りと自信をもって活動していくために、どんなことから始めればよいのか。これは、みなさんの活動の経験や周りの支える体制によっても変わってくるものと思います。お互いに知恵を出し合いながら、努力していきたいと思います。

 第29回党大会以降、ごく一部に、地方議員の離党・会派離脱、党からの除籍などの事態が生じています。地方議員のみなさんのなかには、そうした動きを知って、心を痛めている現状があると思います。

 いまごく一部で起きている離党・会派離脱などは、そのあらわれはさまざまであり、ネット上でもいろんな議論がとびかっています。一部には、地方議員への援助の問題など、党として克服しなければならない課題もあります。しかし、国政選挙の連続後退、党勢の後退が続くなどのもとで、敗北主義的な気分に陥るとともに、党の綱領と規約への確信を失ってしまったことによるものも少なくありません。

 地方議員は、日本共産党の顔として、その地方、自治体で党を代表して奮闘されています。それゆえに、他党・他会派からもさまざまな攻撃や働きかけがあり、誘惑もあるでしょう。住民からは党に対する疑問や意見、たとえば「なぜ党名を変えないのか」なども、率直にぶつけられる相手が地方議員でもあります。

 そうしたもとで確固として党の立場で奮闘するには、地方議員・候補者が、科学的社会主義、党の綱領と規約を深く学び、どんな困難があっても揺るがない政治的理論的確信、確固とした思想的立場を確立することが求められます。

 来春の統一地方選挙では、住民要求にこたえた政策と党の役割を大いに語るとともに、日本共産党の歴史、理念、綱領など党を丸ごと語り抜いてこそ、勝利することができます。「なぜ私は日本共産党の議員として頑張るのか」を綱領と規約にもとづいて生き生きと語ることが大事になってきます。

 地方議員団を確立し、そこでの学習・討議、党生活を確立することと一体に、すべての地方議員・候補者が、自らの課題として、科学的社会主義、党の綱領と規約、第29回党大会決定を深く学び、身につけて、奮闘しようではありませんか。その際には、「赤本」「青本」の学習をしっかり位置づけることも大切です。

 埼玉・蓮田市の議員・候補者は数年にわたって資本論の学習会を続けています。愛知では、議員自身が運営委員になり、「若い世代・真ん中世代地方議員研修会」に取り組み、そのなかで「今こそ私たち議員が『資本論』を学び、広げていくことが社会を変える力になる。そのために共に学びあおう」と、赤本の学習会に取り組みました。こうした努力にも学びたいと思います。

 党の地方議員自身が、しっかりとした羅針盤を持ち、展望をもった活動をしていけるように、科学的社会主義、党の綱領と規約を大いに学んでいくことを心から呼びかけるものです。

終わりに

 この8月から、沖縄県知事選挙と沖縄統一地方選挙がたたかわれます。知事選挙の告示は26日、投票日は9月13日です。平和で誇りある豊かな沖縄をつくるのか、それとも沖縄を再び戦場にするのか、歴史的たたかいとなっています。

 「辺野古が唯一の解決策」というのは30年来の大ウソで、有事には那覇空港の使用を認めなければ普天間は返還しないと、日米両政府が30年前に合意していたことが、志位和夫議長の沖縄での演説会で明らかにされ、県内に衝撃が走っています。

 新たな局面のもとで、「普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設の断念」を明記した2013年の沖縄「建白書」に立ち戻って県民が団結することこそ、基地のない平和な沖縄への大道であり、これまでの立場の違いを超え、オール沖縄を大きく発展させる条件が生まれています。沖縄県知事選挙で、玉城デニー知事の3選、沖縄統一選挙での日本共産党の全員勝利を勝ちとるために、全国から物心両面の支援を集中することを呼びかけます。

 そして、12月の茨城県議選をはじめ、一つひとつの中間選挙でも勝利を勝ちとりましょう。

 歴史の岐路で迎える党大会成功と、統一地方選挙勝利で、暴走する高市自民・維新政治に国民の審判をくだそうではありませんか。

 平和と暮らし、人権を守る地方政治の流れをさらに大きくひろげ、次なる国政選挙勝利へ道を開こうではありませんか。

 以上で報告を終わります。

小池「飛躍期間」推進本部長・書記局長のまとめ

 12人の発言を踏まえ、決起集会のまとめを行います。

 すべての発言が、来たる第30回党大会の成功と、統一地方選挙の勝利に向けて、チャレンジ精神にあふれた、心を打たれるものばかりでした。一つひとつの発言が本当に素晴らしいものでした。

 また、12人のうち10人が女性議員・候補者でした。まさにジェンダー平等を綱領的課題として掲げる、わが党の姿が示されました。

 本日の集会は、全国の地方議員・予定候補者の7割を超える1660人以上の皆さんが視聴しました。全国の連帯をより深く培う場として、大きな成功を収めることができました。

 全国11の衆議院ブロックから発言をいただきました。その中には、愛知の中西光江さんのように党の地区委員長を兼務しながら奮闘されている同志、福岡の大谷しんこさんのような医師、長野の市川はる子さんのような農業従事者、東京の大原瑞希さんのように企業経営にも関わってきた青年など、本当に多彩なメンバーが熱い思いを込めて語ってくださいました。

 発言そのものにドラマがありました。一度は引退を決意されながらも、今の厳しい政治情勢のもとで「ここで引退するわけにはいかない」と続投を決意し、1月の真冬の選挙で引き続き奮闘する決意を語られた北海道の中河つる子さん。

 老人医療費無料化発祥の地である旧沢内村(現在の西和賀町)で活動している、ふもとかおり町議は、支部会議を定例化させ、支部が元気になり、2200戸の地域に600部の後援会ニュースを届け、そして高校学級増を勝ち取るというドラマを語りました。

 全国のすべての地方議員・候補者にはそれぞれのドラマがあると思います。すべての方に当選し、議員として活動してほしい。心からそう思いました。

 私は三つの点を強調します。

日本共産党地方議員団のかけがえのない値打ち

 一つは、日本共産党の地方議員団のかけがえのない値打ちを、お互いにしっかりと確かめ合うことができたことです。

 「もしもこの自治体に日本共産党の議席がなかったら、住民の皆さんの暮らしは一体どうなっていただろうか」――そう考えずにはいられません。「戦争する国づくり」を絶対に許さず、住民の皆さんと共に草の根からたたかっている、そういう発言が相次ぎました。

 山口県=藤本一規県議は、岩国基地の強化に反対するたたかいを報告されました。

 京都府=京都府議会での党議席奪還を目指す亀田優子さんは、祝園(ほうその)弾薬庫へのトマホーク配備を許さないたたかいを語られました。

 愛知県=中西光江豊橋市議は、三河港の特定利用港湾指定を許さないたたかいを語られました。

 さらに、独裁体制をねらう維新政治と正面からたたかい、地方自治の根幹を守り抜こうとする大阪・井上浩大阪市議のたたかい、福岡県議会の底なしの腐敗を正し、県議選での空白克服の決意を語った大谷しんこさんなど、あらためて「公共」を取り戻し、住民自治を守り抜き、反戦平和を貫く日本共産党の綱領路線が持つ生命力を強く感じさせてくれました。お互いに「これからも頑張っていこう」と言いたい。

「二つのチャレンジ」と党づくりでの力の発揮

 第二の点は、皆さんが「二つのチャレンジ」に取り組んで、党づくりにおいても大きな力を発揮している、このことを共有できたということです。

 徳島県=徳島市議の加戸真実子さんの経験――SNSと「カトマミニュース」の配布など地域訪問を連動させて、子育て世代へ積極的に働きかけて党員を増やす。

 長野県=南牧村議の市川はる子さんの発言――世代的継承を実現し、次々に新入党員を迎えている。「ダメダメ議員」どころか、議員活動の中で支部を元気にして生き生きと活動している姿を語られました。

 神奈川県=横浜市港北区の香西りょうこさんのたたかい――複雑な状況の中で立候補を決意され、全力で必ず県議会議席を取り戻すという決意を語り、党員を次々に増やしておられます。

 こうした日々の実践を通じて党員拡大の輪が広がり、「手紙」への返事によって支部がかわり新たな可能性を切り開いている姿勢に、深く学ばされました。住民からの深い信頼と影響力というのは、文字通り皆さんが日頃から党の旗を堂々と掲げて奮闘し、住民の切実な声に温かく寄り添って活動してきたからにほかならないものです。

 これらの経験に学び、8月・9月の「飛躍期間」で大きく前進していこうではないかと心から呼びかけます。

科学的社会主義の学習と世界観的確信の深まり

 第三の点は、記念講演や「赤本」「青本」の学習を通じて科学的社会主義を学び、世界観的な確信を深め、党員としての自らの成長を探求することの大切さが浮き彫りになったことです。

 本日の集会では、「赤本」「青本」の学習を通じて、真ん中世代、若い世代、そしてベテラン世代も含めて結集を広げている経験が語られました。

 東京の大原瑞希さんの発言には驚かされました。民間企業で6年間勤務する中で、株主至上主義や長時間労働の実態を肌で感じ、マルクスの「自由に処分できる時間こそ真の富」という言葉に深く共感して入党された。そして今、豊島区で現役世代・青年世代に向けて「人間の自由」をまっすぐに訴えている。その姿は実にフレッシュで、私も大変励まされました。皆さんも勇気づけられたのではないでしょうか。

 そして、全体を通じて、埼玉の金子昭代さいたま市議が語った言葉が印象に残りました。まさに、ここに党の地方議員の役割があります。

 「住民の声をもとに、支部と一緒に要求実現などの運動に頑張り、それを力に支部と一緒にたたかう選挙にできるのが、私たち共産党の大きな強みです」――こういう強みを持っている政党は他にありません。それだけに「絶対に負けるわけにいかないではないか」と私は思いましたが、皆さんいかがでしょうか。

 全国の多くの地方議員・候補者が「政治と社会を変えられる」という希望のメッセージを若い世代・現役世代にまっすぐ届けて、草の根から政治を変えようと頑張っています。それに多くのベテラン世代が本当に励まされています。住民のために日本共産党の議員として頑張ろうと決意した熱い志をみんなが持っています。

 今日のこの決起集会には、県委員長、地区委員長、県の選対部長らも視聴参加されています。ぜひこの熱い志を心からリスペクトして、全党の力でしっかり支えてたたかい抜くことを、すべての同志に呼びかけたいと思います。

「三つの行動提起」をよびかけます

 行動提起を簡潔に述べます。

 地方議員・候補者の皆さん。本日の決起集会の報告・発言、幹部会決議と党創立104周年記念講演を学んで、政治的・理論的な確信を持って元気に立ち上がりましょう。

 何よりも選挙勝利に向けて、現瞬間に力を集中すべきは、「飛躍期間」の三つの課題での目標達成です。

 第一に、「手紙」と「返事」の取り組みです。全地区・全支部の立ち上がりにとって決定的です。これを広げていきましょう。

 第二に、「集い」の開催と「二つのチャレンジ」です。「集い」を全国津々浦々で繰り返し開きましょう。「要求対話・要求アンケート」を広げて、循環型・対話型の選挙戦にしていきましょう。

 第三に、学習の強化です。「赤本」「青本」の学習を支部で強めていくということに全力で取り組んでいきたいと思います。

 カギを握っているのはこの8月です。月初めからダッシュして前半に見るべき成果を上げ、もちろん適切に休みを取りながらですが、休み明けには直ちに立ち上がり8月・9月で飛躍期間の目標を達成することです。9月はじめの第9回中央委員会総会では、党大会の招集と議題の発表を行います。10月はじめの第10回中央委員会総会では党大会議案を発表して全党討論を開始します。これらを目標総達成の流れの中で迎えて、さらに党大会成功への道を切り開こうではありませんか。

 この決起集会をうけ、各県各地区で決起集会や会議が予定されています。直ちに討議・具体化をすすめて行動に立ち上がろうではありませんか。

 地方議員・候補者の皆さん、「飛躍期間」の目標の達成へ、そして党大会の成功へ、統一地方選挙勝利へ、そしてさらなる国政選挙の勝利へと力を合わせて頑張り抜く、この決意を固め合い、まとめとしたいと思います。共に頑張りましょう。