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2026年8月11日

主張

熊本地震2週間
関連死防ぎ生活再建に道開け

 熊本地震の発生から2週間になります。猛暑の中、被災者の疲労は限界を超えています。2016年の熊本地震では住宅倒壊などによる直接の死者50人に対し、災害関連死が225人と4・5倍にのぼりました。これを繰り返してはなりません。被災者の命を守る救援が最優先です。同時に当面の住まいの確保をはじめ、被災者が生活と生業(なりわい)の再建に踏み出せる支援が求められています。

■手元に届く救援を

 10日時点で6000人以上が避難所に避難しています。宇城市と八代市が9割近くを占めています。

 ようやく段ボールベッドが届いた避難所がある一方、「体育館の床にシートを敷いて寝ている」「提供される食事が菓子パン」といった訴えがいまだに続いています。

 内閣府は24年に改定した避難生活の指針でトイレ、食事、生活空間など避難所の基準を作成しましたが、ほど遠い実態です。救援物資が集積所から避難所や被災者の手元になかなか届かないことが、過去の災害時と同じように繰り返されています。

 町村合併で自治体職員が減らされています。大災害で自治体職員自身も被災すれば、他の都道府県から応援職員を派遣しても追いつきません。予想されていたことでした。

 避難所や被災者のニーズを把握し、自宅や車中などに避難する人を含めて、必要とされる物資が確実に届くような司令塔機能が必要です。今度こそ確立すべきです。

 冷房のない避難所があることは、被災者の命と健康を危うくする大きな問題です。ポータブルクーラーなど冷房機器を一刻も早く届ける必要があります。

 熊本県で避難所に指定された小中学校体育館の空調設置率は20・9%(文部科学省)です。8割に冷房がありません。熊本県だけのことではありません。設置率は都道府県によって95%から0%台まで大きな格差があります。

 政府は24年度に学校の避難所機能強化のための「臨時特例交付金」(24~33年度)を新設し、体育館の空調設置経費の半額を補助するようになりましたが、取り組みが遅すぎます。真夏の災害は全国どこでも起こりえます。国の責任で避難所指定施設の冷房設置を加速すべきです。

■生業前向けるよう

 被災者が生活を取り戻し、生業を再建するうえで住まいの確保はきわめて重要です。

 応急仮設住宅の建設は、自宅敷地内への設置を含め、被災者の生活の便、コミュニティーのまとまりを考慮することが欠かせません。

 現行で最大300万円の住宅再建支援金を実際に家を再建できる水準に引き上げ、支援対象を半壊以下の被害に拡大すべきです。

 熊本は、農業産出額全国6位(24年)の農業県です。生業の再建では農業被害への対応が重要です。

 農地・農業施設では約1400カ所で計189・6億円の被害が報告されています。特産のナシは収穫を前にして多くが落果してしまいました。損失補填(ほてん)とともに、農民が前を向ける再建支援が求められます。