この2年、米価の高騰に見舞われました。しかし、2026年産米の収穫が始まるなかで米価の低落傾向が顕著になり、米産地では深刻な不安が広がっています。
生産者が安心して米作りを続けられなければ、消費者に安定して国産米を届けることもできなくなります。消費者に手頃な値段で供給すると同時に、米価暴落を防ぐために政府は緊急に備蓄米を買い戻すべきです。
■大暴落になる恐れ
刈り入れ時期を迎えた産地では、農協が概算金(収穫期に農家に支払う金額)を示しはじめていますが、軒並み1俵(60キロ)2万円以下で、昨年と比べ1万円前後低い水準です。政府が認定した平均2万535円の生産コストの指標を大幅に下回り、資材の高騰も加わって、大規模経営も含めて赤字になるとの危機感が広がっています。
直接的な原因は、米の民間在庫がかつてない規模に膨れ上がっていることです。6月末の適正在庫は最大200万トンとされますが、今年は240万トンを超え、米価大暴落を引き起こした21年産米よりさらに大きくなる見通しです。主な要因は、政府が25年産の備蓄米買い入れを中止したうえ、備蓄米を59万トン放出し買い戻さないことにあります。
このまま米価が暴落すれば米農家が激減しかえって米不足・価格高騰が常態化しかねません。生産者だけでなく国産米を手頃な価格で食べたい消費者の願いにも反します。
今年産の米価下落に歯止めをかける当面のカギは、放出した備蓄米を早急に買い戻し過剰な在庫を減らすことです。現行制度で可能であり、政府の最低限の義務です。
備蓄米の買い戻しは、米の安定供給、食料の安全保障からも緊急課題です。現状で政府備蓄米はわずか32万トン、年間消費量の半月分です。政府自身が適正水準とする約100万トンを大幅に下回ります。不作、災害などの緊急事態に対応できない量であり一刻も早く回復すべきです。
ところが高市早苗政権は、「収穫前の買い戻しを」という都道府県知事会や関係団体の一致した要請に、「需給動向や今年の作柄状況を見て」と繰り返し、新米価格が低下する事態を放置しています。
■不可欠な差額補填
一方で、米の店頭価格はまだ高い水準にあります。家計を圧迫しない水準に落ち着かせることが求められます。それを米農家の再生産維持と両立させるためには、農家の販売価格が生産コストを下回った場合、差額を政府が補填(ほてん)することが不可欠です。日本共産党は、農家が米作りを続けられる最低限の条件として、それを強く訴えます。
市場任せの食糧法の発足以来30年、生産者米価は低落を続け、生産費を償えない低米価に米農家は苦しんできました。大多数の営農が成り立たなくなり、大量の離農を生み出しました。米の生産基盤が弱体化し、「令和の米騒動」の一因にもなりました。
生産者にとっても、消費者にとっても、いま必要なのは、米の需給と価格の安定に政府が責任をもつ政策です。カラに近い政府備蓄米の早急な回復が急がれます。

