相次ぐ物価高に賃上げが追い付きません。2026年度の最低賃金額(最賃)引き上げについて厚生労働省の中央最低賃金審議会は、全国加重平均で55円(4・9%)増の時給1176円とする目安を答申しました。昨年度の目安63円(6・0%)増を下回りフルタイムで働いても年収250万円にも届きません。
厚労省の国民生活基礎調査では、生活が「苦しい」と感じる世帯は55・4%、母子世帯では82・1%に上ります。
全国どこでも1500円の最賃を今すぐ実現し、1700円を目指すことが待ったなしの課題です。
■高市政権の姿勢で
最賃の引き上げが昨年度を下回った背景には、国民生活を一顧だにしない高市早苗政権の姿勢があります。
昨年、石破茂政権は、最賃の1500円への引き上げ時期について「20年代に実現する」目標を掲げました。全労連はじめ労働者の運動を政府が無視できなくなったものです。しかし、高市政権は「遅くとも30年代前半のできる限り早期」と目標を先延ばしし、賃上げに対する政府の責任を放棄しました。
大企業はいま空前の利益を上げ、内部留保は600兆円に迫ろうとしています。高市政権はさらに今後15年間で大企業を中心に官民あわせて370兆円もの投資を行うとしています。一方で、労働者の実質賃金は30年前と比べて平均で年70万円も下がっています。大企業が利益を上げれば経済が成長し、賃金が上がるというトリクルダウンの失敗は明らかです。
最賃の大幅な引き上げのためには、中小企業への直接支援が必要です。大企業の内部留保に時限的に課税し、それを原資に中小企業への直接支援を抜本的に強化すれば、大幅な賃上げは可能です。最賃が上がり、労働者の所得が増え、それが消費に回れば、経済の好循環を生み出すことができます。
■地方の運動が重要
最賃引き上げは今後、都道府県ごとの地方審議会で目安を参考に実際の改定額が議論され、決定されます。地方審議会に向けた運動が重要です。
最賃が一番高い東京と一番低い県との格差は200円以上に上ります。全労連の最低生計費調査では、都市と地方で生活費の格差はほとんどありません。地域間格差を是正し、全国一律最賃制度の実現を求めることが重要です。
地方自治体は、低賃金によって人口が大都市に流出するという困難に直面しています。これを解決するために、岩手、福島、群馬、茨城、奈良、徳島、宮崎などの各県が賃金引き上げのための独自の支援策を実施しています。地方経済を守る視点から、自治体にも働きかけて地域から運動をつくりましょう。
最賃の発効日は10月となっていましたが、昨年度、発効を11月以降にした府県が27にのぼり、6県は年を越しました。労働者に多大な不利益となる適用の先送りをさせないことが大切です。
日本共産党は労働者・労働組合と連帯し、職場のたたかいとともに、政治の責任での賃上げを進めるために奮闘します。

