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2026年8月7日

きょうの潮流

 「原爆の悲劇に国境はない」。今年88歳で亡くなった被爆者、森重昭さんの言葉を平和記念式典で広島県知事が紹介しました▼10年前、広島を訪問したオバマ米大統領と抱擁を交わした森さん。のちに核なき世界に逆行する大国の動きを批判していました。「核兵器と核兵器との戦いになったら短時間ですべてが終わってしまう。そんなばかなことをやる価値がどこにあるのか」▼核の抑止力を被爆地で肯定した3年前の広島G7サミットでも「軍事対応がエスカレートしたら最後には核兵器に行き着く」と警鐘を▼核に固執する国と廃絶を求める国がせめぎ合うなかで迎えた被爆81年。「平和宣言」は世界の為政者にいつまで失望させ続けるのかと訴えました。ヒロシマ・ナガサキの悲劇と真剣に向き合い、被爆者の平和への思いを受け止めてくださいと▼人類は平和な未来を選ぶのか、それとも核による破滅という暗い影の下で生き続けるのか。あいさつを寄せた国連のグテレス事務総長は、私たちはこの地から何かを学んだのかと呼びかけました。それは日本政府にも▼非核三原則を堅持しているといいながら、核抑止を否定しない高市首相。核についてタブーなき議論をと平然と口にする小泉防衛相。恒久平和を掲げながら世界の安全保障環境は一段と厳しさを増していると、大軍拡に突き進む政権。平和とは恐怖と力によって得られるものではない――被爆地や世界の声を、なんと聞く。