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2026年8月6日

きょうの潮流

 心をしずませ、一筆一筆に気持ちを込めました。惨事にあいながら必死に生きてきた一人ひとりの名前を。それは、被爆のルーツをもつ自分と向き合う時間でもありました▼長く被爆者が担い続けてきた原爆死没者名簿の記帳。しかし高齢化に伴い、広島市は今年初めて記帳者を公募しました。選ばれた中に最年少となる16歳の高校1年生がいます。広島国際学院高に通う福地芽依さんです▼きっかけは祖母、曽我部文江さんの後押しと小さいころからの平和学習でした。曽我部さんの父親は爆心地から1・5キロの付近で被爆。大やけどを負い傷口にはウジがわき、肩や背中にケロイドが残りました。家族を亡くし、後遺症にも苦しんだといいます▼物心ついたときからその話を聞いて育った芽依さんは、いつも曽祖父の被爆体験が頭の片隅に。定年退職後に市の観光ボランティアガイド協会のガイドを務める曽我部さんにならい、平和記念公園でガイドデビューも果たしています▼「父は、戦争はいけん、原爆はいけん、と何度も口にしていた。いままた核兵器をめぐる動きがきな臭くなるなか、父の無念を伝えていかなければ」という曽我部さん。その思いも引き継ぎ活動する孫を誇りに感じながら▼きょう被爆から81年の広島。平和記念式典に参加する芽依さんは、原爆死没者名簿の奉納を見守ります。追悼とともに、曽祖父や祖母らの願い、被爆4世として平和をつないでいく決意を胸に。