日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年8月5日

きょうの潮流

 戦時中に徴兵忌避の過去がある大学職員を主人公にした丸谷才一の小説『笹まくら』が、この8月にNHKでドラマ化されます▼1966年に刊行された当時、日本は戦後20年が過ぎ「右傾化」の動きが。米軍が侵攻したベトナム戦争を嫌い良心的兵役拒否や徴兵忌避のニュースが流れる中、小説は当時の世の中を反映、批判したと評されました▼ドラマで主演した森山未來さんは、徴兵忌避を演じての思いを会見で「戦争の当事者・被害者・加害者…、今はそういう立場ではないかもしれないですが、いくらでも変わってしまうので意識を向けなければならないのではないか」と▼徴兵忌避は戦前、「入営嫌い自殺」「徴兵を忌避し大胆な合格書変造」(東京朝日)などと報じられ、1937年には「壮丁(成年男性)ら十余名を徴兵忌避で検挙」(大阪朝日 鳥取版)の見出しで、「国」に反する“一大恥辱”とされるまでに▼いま慢性的な隊員不足に直面する防衛省は、募集強化の「大きな武器」として、入隊を前提にした「貸費学生」奨学金制度を拡大しています。日本国憲法の下、戦前の再現はあり得ない中で高学費に苦しむ学生を狙い撃ちにした“経済的徴兵制”との指摘もあります▼「国家というものの目的は、戦争以外にない」。会見では、森山さんからドラマのこんな台詞(せりふ)が語られました。世界各地で戦争が繰り広げられ、きな臭さが漂うこの夏に、どのように響くでしょうか。