2026年版防衛白書が4日、公表されました。安保3文書の改定に向けて検討を進めている無人兵器や人工知能(AI)による「新しい戦い方」について新たな章を設けて詳述。「新しい戦い方」の実現のため軍事産業の育成や大学・研究機関の軍事動員を強める方針を示しました。
ロシアによるウクライナ侵略で「新しい戦い方」が生まれていると説明。安価な無人機を大量に投入して従来のミサイルと組み合わせた大規模な攻撃や、AIを活用した迅速な意思決定などを例示しました。一方、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への侵攻では、標的を生成するAIを使用したことで兵士が攻撃を決定する時間が数十秒まで短くなり、誤爆で多数の民間人が死傷。そうした危険性には触れていません。
また白書は、ウクライナが弾薬や無人機の国産化・生産能力の拡充を進めていることに触れ、「継戦能力の確保」が重要だとしました。軍事産業に関する記述を大幅に拡充。「従来の枠組みにとどまらず、能動的な成長投資」を行うことが重要だとし、▽有事における需要の急増に対応できる生産基盤の構築▽国立研究開発法人や大学、スタートアップ企業などの最先端科学技術の取り込み▽武器輸出を通じた生産能力の確保―などを官民連携で取り組む方針を示しました。
高市早苗政権が「防衛産業」を成長戦略に位置づけたことを反映し、「防衛と経済の好循環」の実現を繰り返し強調しています。「防衛産業は、民生分野への波及効果を通じて経済成長に寄与する」と明記。「戦争で稼ぐ国づくり」を露骨に示しました。
自衛隊が「平時」から利用できる「特定利用空港・港湾」について標的になるリスクには一切ふれず、「民間の航空機や船舶の利便性向上につながっている」と正当化しました。
中国の軍事動向について前年と同様に、「これまでにない最大の戦略的挑戦」であり、「総合的な国力と同盟国・同志国との協力・連携により対応すべきもの」と位置づけました。
日米合意から30年過ぎても米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)返還が実現しないにもかかわらず、同県名護市辺野古の米軍新基地建設が「(返還の)唯一の解決策」と繰り返しました。

