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2026年8月4日

きょうの潮流

 ぼろぼろに破れたワンピース、中身が黒焦げの弁当箱、さびついた三輪車…。一つ一つの遺品や写真に息をのみ、食い入るように説明を読む人びと。そこにある無念を感じながら▼8月の広島平和記念資料館=原爆資料館には大勢の人々が詰めかけていました。とくに外国人の入館者が目立ち、その数は年々増え続けています。市は円安とともに混迷する世界情勢が背景にあるとみています▼昨年、開館70年を迎えました。3度目の大幅改修となった現在の展示は、「人への被害」を基本にすえて、被爆資料が語る声なき声と静かに対話できる空間に▼一人ひとりの生きた証しとの対話。そこには、原爆投下の翌日から石や瓦、ガレキなどを焦土から集めた初代館長、長岡省吾さんの執念がありました。その貴重な収集と調査が資料館の礎となっています▼被爆の実相をどう伝えるか。長岡さんからつないできた14代に及ぶ歴代館長。いま、その思いを描いたドキュメンタリー映画「原爆資料館」が各地で上映されています。資料館の歴史を描くことで、根底に流れる平和への思いも伝えたいと▼展示改修に携わり『広島平和記念資料館は問いかける』の著者でもある志賀賢治元館長は「ヒロシマの死者を記憶するための施設」だといいます。そして、ここにあるのは人間の叫びなんだと。その思いは、館内に置かれた対話ノートにさまざまな言語でつづられた、世界平和への願いに通じています。