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2026年8月3日

陸自オスプレイ低空飛行訓練計画

全国に拡大 不安増大
機体の構造 運用に制約も

写真

(写真)米軍普天間基地に飛来した陸自オスプレイ(手前の列の奥2機)と米海兵隊オスプレイ=6月22日、沖縄県宜野湾市

 陸上自衛隊は昨年8月、木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備していたV22オスプレイ全17機の佐賀空港(佐賀駐屯地、佐賀市)への移駐を完了し、本格的な運用段階に入りました。昨年は九州の駐屯地・演習場を中心に訓練を実施してきましたが、防衛省は先月、沖縄県を含む全国に訓練を拡大する方針を示しました。今回、明らかになった低空飛行訓練計画も、その一環です。

安全性への懸念

 最大の問題は、安全性への懸念です。米軍オスプレイの墜落や緊急着陸が相次ぎ、陸自機も2024年10月、機体のバランスを崩し、地面に接触する事故を起こしながら、いまだ詳細な事故調査報告書を公表していません。なし崩し的な訓練拡大に、不安の声が広がる可能性があります。

 沖縄県では、すでに反発が広がっています。外来機が相次いで米軍基地に飛来し、基地負担が拡大する中、よりによって今年の沖縄「慰霊の日」を前にした6月22日、普天間基地(宜野湾市)にV22が初飛来し、怒りの声が相次ぎました。

 陸自によれば、佐賀駐屯地でのオスプレイの年間離着陸回数は最大4640回と想定していますが、過去1年間では想定の約7割の3300回にとどまりました。荒井正芳陸上幕僚長は7月14日の記者会見で「安全確保の観点、天候・気象の観点、操縦士の練度、機体の状況の関係」などを理由に挙げています。

 住民・自治体の不安の声に配慮している面もありますが、そもそも、訓練を全国規模に拡大する段階には至っていないのではないかと考えざるをえません。

救援も課題山積

 オスプレイに対する懸念をかき消すため、防衛省は人道支援・災害救援への活用をアピールしてきました。16年4月の熊本地震では米軍オスプレイが救援物資を空輸。今回の熊本地震でも、7月31日、陸自のV22が護衛艦「いせ」から救援物資を高遊原(たかゆうばる)分屯地(熊本県益城町)に空輸しました。

 あらゆる手段を活用して救援物資を被災地に運ぶことは重要です。一方、オスプレイは離着陸時にエンジンの排気熱を地面に吹き付けるため、舗装されていない場所では火災を起こすリスクがあります。翼の左右でプロペラを回転させる構造のため、乱気流を生み出す危険もあります。こうした機体構造が運用の制約要因となることに留意する必要があります。(竹下岳)