高齢者の在宅介護を支える訪問介護事業所がない自治体数(6月末時点)が半年前と同じ116町村となり、“空白地域”の解消がすすんでいないことが本紙の調査でわかりました。2町村がゼロから抜け出す一方で、2町村が新たにゼロに。事業所が残り1の自治体も前回比6増の285市町村となり、低報酬や人手不足でサービス停止に追い込まれる状況が続いています。
訪問介護事業所がない自治体数の調査は、自公政権が強行した訪問介護基本報酬引き下げ(2024年4月からマイナス2~3%)の影響を検証するために本紙が継続的に実施。厚生労働省が半年おきに公表する全国の介護保険事業所一覧をもとに、自治体別の事業所数を調べています。
調査の結果、新たに事業所ゼロになったのは山形県山辺町と福島県中島村でした。このうち中島村では村内唯一の事業所が24年に廃止していましたが、これまでの厚労省公表に反映されていませんでした。
事業所を新たに確保して空白を克服したのは、山梨県道志村と岡山県奈義町。訪問介護で利益を出すのが難しいなか、社会福祉協議会がこの2町村でサービス提供しています。
全国の事業所数は前回比25減の3万5166カ所でした。都市部は増減が二極化し、神戸市(35増)や大阪市(17増)に新設が集中した一方で、札幌市(38減)や福岡市(18減)で廃止が相次ぎました。東京23区は14減でした。
これまでの調査によって、自公政権による報酬引き下げ後に多くの事業所が廃止に追い込まれ、事業所ゼロ自治体が急増(前回調査までに19増)したことがわかっています。(グラフ)
高市政権は今年6月、介護報酬の臨時改定を行いましたが、自治体や介護事業者が求めてきた“訪問介護報酬の引き上げ”“24年の報酬引き下げ撤回”は行わず、低報酬のままにしています。(本田祐典)

