“聞いてみたい、言いたい”高校生と田村智子委員長との90分間の一問一答―。日本共産党は26日、大阪市内で「高校生サマーセミナー2026in大阪 田村智子・共産党委員長と話そう」を開き、大阪を中心に27人の高校生が参加しました。学校教育や政治、AI(人工知能)、農業などについて15人が質問しました。(仁田桃)
(写真)参加者から質問を受ける田村智子委員長(正面右)。左は司会の坂井希青年・学生委員会責任者=26日、大阪市
「私は、子どもたちの自殺について質問させていただきたいんですけど」と手を挙げた京都の高校3年生の「死にたいっていう子がいたらどんな言葉をかけますか?」という問いかけは、高校生たちと田村さん自身の体験をふまえた真剣な交流となりました。
田村さんは「死にたいくらいつらいことからは逃げていい。逃げる権利があると言いたい」と話しました。これには田村さんの“誇れるようなことじゃない”子育ての実体験がありました。「学校に行きたくない、頭が痛い、その理由を言えなかった。言える場をつくるって難しいね。どうしたらそういう場をつくることができるのかなと、自分の子育ての経験から思うことがあります。みんなの考えを聞かせてほしい」と呼びかけました。
別の高校生が「いま自殺の話がありました。競争教育の激化が自殺に関係しているかな…。家庭が厳しい子の逃げ場に学校がなっていない。競争教育を緩和させるために必要なことはなんですか」と尋ねました。
田村さんは「私はテストをなくしたい」ときっぱり。「大阪ではテストの結果で学校に順位がつき、下位の学校は予算を減らされ統廃合されています。恐るべき競争です」
2007年に始まった全国学力テスト。田村さんの子育て中の出来事でした。「そこから学校が様変わりした」と田村さんは振り返ります。良い点を取るために「恐ろしい枚数のプリントを持たされ」、自治体ごとでの平均点のランクが低いと言われ、夏休みが短縮され、「自分たちがバカだから夏休みは短くなったのか」と子どもから聞かれたことも。
競争、競争の中で何が起きるか―田村さんは語りかけました。「自己肯定感がどんどん失われていくんです。これでどうして生きる力がついていくでしょう。競争がなければ人間は伸びないなんてうそです。誰もが学び成長する力を持っています。学校を競争から解放するために頑張りたい」。会場から拍手が起こりました。
居場所大切
別の大阪市の高校生は「先ほどの自殺の話を聞いて思ったことなんですけど」と話し始めました。「子どもの自殺を減らすには、学校や家庭以外の居場所があることが大切だと思うんです。私は老若男女が同じ本を読んで感想を語り合う読書会がすごく楽しい。そういう趣味や芸術でつながれば、いろんな世界があるんだと知ることによって、自殺を少なくすることができると思う。でも最近は本屋がなくなったり、文化や芸術に触れるハードルが上がっている。文化、芸術への公的な支援が必要だと思う」と語りました。
田村さんは、「いいですね。自分が一番やりたいことが本当に安心してできる場って大切ですよね」といいます。「自治体にちゃんと図書館があって、その図書館を利用できるようにしていくことは、人権に関わる問題として私たちも位置づけています。街の本屋さんが減っている問題も考えていかないといけない新しい課題ですね。子どもたちの居場所としての芸術文化の場という視点を大切にした政策を検討してみたい」と話しました。
大阪市の高校2年生は、「大学は文学部に進学したいけど、親に就職しにくいよと言われました。お金をかせぐ人が偉いみたいな風潮がいや。大学が就職のための通過点になっていると感じる」と話しました。
田村さんは「就職のために大学に行くってもったいない。高校生活も大学受験のためにはしたくないですね。自分のやりたいことに使える『自由な時間』が、一番人間を成長、発展させる条件になると、日本共産党は注目しています。それなのに今の大学生のみなさんはリポートに追われ、就職活動に追われる。変えていきたいですね。ところでどうして文学部なんですか」と問いました。
高校生が「小説が好きなのと、哲学科もいいかなと思っている」と答えると田村さんは「いいですね。たとえばAIは、もはや、科学技術だけの問題ではなくなっているんですよ。AIを人間のためにいかに使うかどこまで使うか、哲学的な問題になっていると思います。生き方は自分のものなので“これからは哲学の時代だよ”と、親御さんと話し合ってみてください」と激励しました。
高校1年生は「お米が好きで、米の値上がりや外国からの輸入、米作りをする人が少なくなっていて不安です」と話しました。
田村さんは、主食の米作りが地方の経済や国土保全で役割を果たし、政治の中心に据えられなければならない課題だと強調します。自民党は米農家の直接支援を否定していますが、欧州では公的な補助金で農家の所得を補償していると事例を紹介。「それは当たり前なんです。命に直結する産業だから。農家の高齢化も問題です。若い人が農業で豊かに生活できるよう、所得補償や米価の保障制度を確立させたい」と話しました。
格差の是正
大阪市の高校生からは「世界が統一されて、田村さんが世界政府の大統領になったらどんな問題を解決しますか」というユニークな質問も。田村さんは、世界の大問題である貧富の格差と気候危機の解決のために世界の国々は力を合わせないといけない、戦争をやっている場合ではないと答えました。
一問一答のあとはグループトークで交流を深めました。最初は緊張していた高校生も話している間に打ち解け、あちこちで笑顔が見られました。

