福岡県議会の議長・副議長経験者が就任前、自民党県議団の幹部らに計約2750万円の現金を手渡した問題で、内情を知る県政関係者が本紙の取材に対し、幹部らに支払った金額を同党支援の業界団体などがパーティー券代で“穴埋め”する形だったと証言しました。支援団体の名簿は県議団内で引き継がれ、幹部らへ提供したゴルフ代や飲食代を政治資金パーティー「議長就任祝賀会」の収入で取り戻す仕組みになっていたとみられます。(丹田智之)
(写真)2018年に開催された「福岡県議会議長就任祝賀会」の様子(井上順吾県議のブログから)
歴代の議長は就任後、福岡市内のホテルに企業・団体の関係者や県職員らを集めて就任祝賀会を開いています。
県政関係者は「(議長に就任した人は)自民党と付き合いがある団体の名簿を受け取り、それぞれに就任祝賀会の案内状を出していました。議員の後援会が開催する政治資金パーティーで、地元の支援者にも案内していた」と明かします。
福岡県の政治資金収支報告書によると、2015~21年に行われた5回の議長就任祝賀会で、福岡県医師連盟が計440万円、福岡県歯科医師連盟が計160万円を支出していました。いずれの団体も国政選挙や県議選では、自民党の候補者を支援しています。
就任祝賀会の様子について、この県政関係者は「知事や同僚の議員、課長級以上の県職員らも来ていました。出席者の半数くらいが自民党の支援団体です。毎年のことだと考えているのでしょう。パーティー券を買うことがルーチン(習慣)になっているのだと思う」と語りました。
パーティー収入は議員の政治団体に入り、個人に還流させる形で穴埋めしていたといいます。自民党県議団の幹部に多額の現金を提供しても自らの“懐”は痛まない仕組みです。「一度でも幹部らの要求を拒めば、議長や副議長の候補から外されかねません。金銭の要求があった際には『議長就任祝賀会をやれば戻ってくるから』と言われていました。根深い金権体質だ」と県政関係者は批判します。

