(写真)鎮魂のモニュメントに花を手向けて手を合わせる人たち=26日、神奈川県相模原市
神奈川県相模原市の障害者の入所施設で障害のある19人が殺された事件から10年の26日、事件のあった津久井やまゆり園にある鎮魂のモニュメントでは、障害のある人や関係者、地域住民や学生など多くの人が献花に訪れました。
友人と訪れた大学院生(30)=東京都北区=はロザリオを手に祈りました。弟はダウン症があります。「事件直後は、いつ弟が狙われるかと怖かった」と振り返ります。
「10年で障害者への差別が減るどころか、公で言ってもいいという空気を感じる」といいます。「特殊な事件と捉えられて、社会全体の問題として考えられていないからでは」と考えています。「『共に生きる』ということをみんなが考えられるように、自分に何ができるか考え続けたい」
特別支援学校で学んだ女性(19)は元教員の男性(60)=神奈川県内=とともに初めて献花に訪れました。障害のある友人と組むバンドで月に1、2回、地域でライブ活動を続けています。「私たちにはできることがあると伝えたい」と語ります。男性は、いまだに障害のある人が人目を気にして外出しづらいとして、「彼女たちの姿を見て、障害者への固定観念を変えてほしい」と話しました。
「事件 人ごとに思えない」
小さな花束を献花した男性(77)は昨年から東京の障害者施設で送迎バスの運転手をしています。「(事件が)人ごとに思えず、初めて来た」と話します。送迎時は乗車する利用者がびっくりしたり、体にも影響があったりするかもしれないと、急ブレーキをかけないよう細心の注意を払っています。「親兄弟もいない。ひとりもんです。人のために仕事をしたかった」と話しました。「今の社会は弱者に厳しい。どんな人にも優しい社会になってほしい」との願いを込めて祈りました。
福岡県から来た39歳男性。献花は5回目です。「10年前の事件が起きる直前に、4年勤めていた会社から解雇された。事件を見て、『自分もいらない存在なんじゃないか』と思った」と語ります。幼少の頃に自閉症と診断されましたが、普通学校で大学まで学びました。解雇された会社では怒鳴られていました。その後、障害者枠で就職して、怒られることもなくなり、安定してきたといいます。植松聖死刑囚が名前を言えない人を殺したことに、「どんな人でも取ろうと思ったらコミュニケーションを取ることはできるんじゃないか」と話します。社会に対し、「もっと寛大に、というか、人それぞれが生きていける社会になってほしい」と話しました。
今回初めて、県の呼びかけで地域の小学校や自治体などから400以上の灯ろうが集まり、モニュメントの周囲や体育館に飾られました。

