高市早苗政権が21日、閣議決定した「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)と「日本成長戦略」は、大企業と軍事に対する前代未聞のばらまき計画です。平和と暮らしを壊す無謀な道を許すわけにはいきません。
■戦争体制づくりへ
高市政権初の「骨太」と成長戦略は二つの点で異常極まるものです。
一つは、大企業に対する例のない直接支援です。
これまでの自民党政権による大企業支援は、法人税率の引き下げなど減税が中心でした。今回の成長戦略では、2040年度までに総額370兆円超の官民投資を行うとしています。17の戦略分野、62項目の製品・技術が対象です。政府が大企業の事業に予算を大盤振る舞いします。
大企業は減税で優遇されても、利益を内部留保としてため込む一方でした。賃金は上がらず、日本の経済成長が止まってしまいました。自民党内で内部留保の増加を問題視する声が上がったことがありましたが、高市政権はいっさい反省なく、大企業への直接支援拡大に踏み出します。
もう一つは、憲法も国民の暮らしも踏みにじる軍事経済化です。
「骨太」は「安保3文書」を改定し「5年以内に防衛力の変革を実現する」ことを明記しました。トランプ政権が求めるGDP(国内総生産)比3・5%の軍事費拡大に突き進もうとしています。
「防衛産業」が官民投資の戦略分野に挙げられました。小型無人航空機の大量生産、無人艦艇・潜水艦の開発など兵器製造のメニューが並びます。兵器を生産する国有工場まで提言しました。「危機管理投資」が「成長投資」とともに最優先されます。
破壊しかない戦争で経済成長などありえません。侵略戦争に経済力のすべてを動員した「総力戦」が日本をどん底に陥れた過去を思い起こすべきです。
■既に進む財政危機
大企業と軍事へのばらまきを実行すれば、財政悪化が避けられません。
「骨太」では、政府予算の中に「『強く豊かな日本』投資枠」を設け、危機管理投資、成長投資は複数年度にわたる別枠として特別扱いされます。
歴代政権が財政運営の目標としてきた「基礎的財政収支の黒字化」は消え、「債務残高対GDP比の低下」が取って代わりました。毎年の支出を借金に頼らず、税収などで賄えるようにするのが、これまでの目標でしたが、たがを外し、財政の「一時的な悪化も許容しうる」としました。「一時的」どころか、財政破綻への道です。
「骨太」原案が公表されただけで、金融市場で国債が売られ、長期金利が上昇しました。円も売られ、円安がさらに進行しました。日本の財政への信頼が低下しています。国債の金利上昇は国の利払いを増やし、社会保障などの予算を圧迫します。財政悪化は将来の問題ではなく、いままさに進行しています。
高市政権の「骨太」・成長戦略は亡国の方針というしかありません。国民が力を合わせて阻む必要があります。

