2010年以降の日本で20歳未満の精神疾患が急増しています。11年からの10年で3倍になりました。これが10代の自殺の増加と関係するという指摘もあります。昨年の中高生の自殺は過去最高、10年前の1・5倍でした▼こうした傾向は先進国共通です。アメリカでは10年以降、10代のうつ病は約2・5倍に。ちょうど世界中でスマホが普及した時期と一致し、それも原因とみられています▼アメリカの社会心理学者ジョナサン・ハイト氏の『不安の世代』(草思社)は、子どもたちの心の健康がスマホによって悪化している実態をデータで明らかにしました。その分析は、未成年者のスマホ規制の各国の議論にも影響を与えています▼子どもへの悪影響が、実はSNS企業によって人為的に助長・拡大されているとしたら…。フェイスブック(現メタ)は、若者が「自分は無価値だ」などと書き込んだ瞬間をとらえ、美容などの広告配信に利用していました▼こうした報道に対し、同社は「感情ターゲット機能は提供していない」と否定。しかし実際は、その機能を積極的に広告主に売り込んでいたのです。同社元グローバル公共政策部門長であるサラ・ウィン=ウィリアムズ氏が自著『ケアレス・ピープル』(すばる舎)で暴露しています▼SNSはいまや公共インフラなのに、運営するIT大企業は利潤追求を優先して青少年の心を犠牲に。資本主義の重大な矛盾がここにも表れています。
2026年7月24日

