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2026年7月23日

主張

副首都法案の欺瞞
自民と維新の党利党略の産物

 自民・維新が国会を私物化して会期を延長し、強引に成立を狙う副首都法案。大規模災害で首都圏の機能維持が困難になった場合に備え副首都を整備するといいます。

 しかし同法案は、災害への備えを真剣に考えたものではまったくありません。住民投票で2度否決された、大阪市を廃止する「大阪都構想」を、副首都になることで実現しようとする維新と、政権維持のために維新との連立合意を最優先する高市自民党、双方の党利党略の産物です。廃案にすべきです。

 大規模災害への対策が欺瞞(ぎまん)であることは、地震や津波などの災害リスクが副首都の指定要件にないことで明らかです。南海トラフ地震で大阪は大規模な被害が想定されていますが、考慮されません。

■大阪都構想が狙い

 法案では、政令で定める要件にかなう道府県を首相が副首都に指定します。副首都は「首都中枢機能の全部または大部分を代替」し「多極分散型経済圏」の中核を担うとされており、指定された道府県には莫大(ばくだい)な国費が投じられ、民間投資促進のための税制や規制緩和の優遇措置がとられます。

 真の狙いは大阪府を副首都にして大阪都構想を実現し、巨大開発、規制緩和を国と一体にすすめ、国内外の大企業を応援することです。維新による維新のための法案です。

 大阪府作成の「大阪府の副首都構想」には、▽カジノ税制やカジノ管理規制の緩和▽国際観光拠点としての夢洲(ゆめしま)の整備▽データセンター建設▽金融系外国企業誘致のための規制緩和・税優遇▽リニアや北陸新幹線の早期着工―などが並んでいます。

 重大なのは、法案では、▽首都機能が維持困難な場合とは▽首都機能の一部または全部の代替とは―などが不明確で、具体的な施策や運用が政府の恣意(しい)的判断にゆだねられることです。政治的取引に使われかねません。

 政府が「基本方針」を決め、首相を本部長とし内閣で構成する副首都整備推進本部が副首都ごとに「副首都整備方針」を決めます。国会は関与できません。一方、推進本部には副首都の長の意見の尊重が義務付けられています。

 首相は「基本方針」にもとづいて、関係する行政機関の長への勧告権を持ちます。地方自治体には、国の施策に協力する努力義務が課されています。「基本方針」に自治体を従わせ、地方自治を踏みにじる危険があります。

■失敗政策焼き直し

 大阪都構想のためであることをカムフラージュし、あわせて高市政権の「成長戦略」の狙いから、法案は、副首都の複数指定と副首都を中核とする「多極分散型経済圏」の形成による国土づくりを盛り込みました。

 北海道のラピダスのような産業集積地域を各地につくり一握りの国内外の大企業に巨額の税金をばらまくものです。これまで、「東京一極集中の是正」などを掲げながら失敗した施策の焼き直しです。

 現在、中央行政機能の代替策は一定すすんでいます。災害対策を真剣に考えるなら何より必要なのは、住民の命と暮らしを守る対策です。