日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年7月22日

イチからわかる憲法9条

第4部 強まる改憲策動(3)安倍政権の登場
最悪の立憲主義破壊

 1990年代以降、憲法9条への攻撃が強まる中で台頭してきたのが、自民党きっての改憲・タカ派だった安倍晋三元首相です。歴代自民党政権は、9条と安保・自衛隊との矛盾をあくまで憲法解釈の枠内で取り繕い、「ぎりぎりの均衡」を保つことでしのいできました。ところが、安倍氏は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、この枠組みそのものの転換に踏み込み、最悪の立憲主義破壊を実行します。

 その象徴が、2014年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定です。翌15年9月には、国民多数の反対の声を踏みにじり、安保法制=戦争法を与党の数の力で強行成立させました。「憲法9条のもとでは集団的自衛権の行使はできない」という戦後60年余にわたり一貫して維持してきた政府の憲法解釈を、一片の閣議決定で百八十度覆し、「憲法解釈の変更」という口実で憲法の中身を掘り崩す法的なクーデターを強行したのです。

 同時に安倍氏は、明文改憲にも執念を燃やしました。第2次安倍政権発足直後の13年通常国会以降、国会でも改憲への意欲を繰り返し表明。16年7月の参院選で、改憲勢力が衆参両院で発議に必要な3分の2以上の議席を初めて占めると、17年5月3日の憲法記念日に、9条に自衛隊を明記する改憲案を発表しました。歴代政権で初めて「2020年施行」という期限まで示し、改憲への動きを新たな段階に引き上げました。

 それでも、明文改憲は一歩も進みませんでした。その背景には、市民の粘り強い反対の声があります。安保法制の強行に際しては、10万人を超える人々が国会を包囲し、「市民と野党の共闘」が生まれました。集団的自衛権の「全面的な行使」は依然として違憲であり、憲法9条は、その歯止めとして今も生き続けています。