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2026年7月22日

高齢者の医療窓口負担増 「軍事経済化」へかじ切る

高市政権 骨太・成長戦略を決定

 高市早苗政権は21日、「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)と「日本成長戦略」を閣議決定しました。高市政権として初めての骨太の方針です。骨太の方針は、総選挙で自民党が公約に掲げた食料品の消費税減税と「給付付き税額控除」について「8月上旬までを目途に、その方針を決定する」としました。「成長戦略」では、戦略17分野に軍事を位置づけ、「軍事経済化」へかじをきる姿勢を示しました。政府・与党と一部政党で構成する社会保障国民会議で議論を重ねてきたものの、意見の隔たりが大きく、合意が得られなかったためです。


 6月30日に公表された骨太の方針の原案は、「強い経済」の実現に向けて日銀による「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要だ」と明記。さらに昨年度までの骨太の方針にはあった「財政健全化」の文言もなくなりました。市場からはインフレ抑制に向けた日銀の利上げをけん制するものであり、放漫財政をさらに加速するものと受け止められ、国債売却の動きが広がり、金利が急騰しました。こうした事態を受け、骨太の方針は「適切な金融政策運営」を求めるという記述に、「『安定的な物価上昇』の実現に資する」との文言を追加。さらに日銀の自主性の尊重をうたう日銀法第3条を注釈に書き込んで、火消しを図っています。

 異次元の大企業・軍事産業支援と平行して、大軍拡を推進する、無責任で不公平な放漫財政を進める姿勢を鮮明にしました。

 産業政策をめぐっては、2040年度までに人工知能(AI)・半導体・軍事など戦略17分野へ370兆円超の官民投資を行うという「成長戦略」の推進を最大の柱としました。

 また、戦略17分野への投資を「金融面で支えるため」に「資産運用立国」の取り組みを「発展」させると強調。軍国主義と株主至上主義を融合させる思惑を示しました。

 軍拡をめぐっては中国の軍事力強化やロシアによるウクライナ侵略などをあげて安全保障環境への危機感を表明し、「主体的に防衛力を強化する」としています。そのうえで、▽国有施設民間操業(GOCO)方式での重要装備品の生産▽政府主導の武器輸出▽国立研究開発法人や大学への軍事研究基盤整備―などを一体的に推進するため、「国の関与を担保した法人の設置」を検討するとし、国が音頭をとって「軍事経済化」へ、かじをきる姿勢を鮮明にしました。

 社会保障については、現役世代の保険料負担の抑制を口実に、「給付と負担の改革努力を継続」すると主張。高齢者の医療の窓口負担の見直しについては「原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する」との表現で、負担増を明記。26年末までに改革工程表を策定するとしました。介護の2割負担の対象拡大については26年度中に結論を出すとしました。

 また、「産業構造の変化に対応した人材基盤を強化」するために高校、大学・大学院を一体的に改革するとし、高校の文系、大学の人文社会系の定員削減の方向性を示しました。

 最低賃金の全国平均1500円への引き上げについては、従来の20年代から30年代前半へ、達成期限を先送りしました。原発については「再稼働加速や次世代革新炉の開発・設置」を掲げました。

 「成長戦略」は労働時間規制をめぐり、「定額働かせ放題」と批判されている裁量労働制の対象拡大や、企業が残業代を節約するため閑散期の労働時間を繁忙期に移し替える変形労働時間制の要件緩和などについて、夏以降の労働政策審議会で議論を進めるとしました。