高市早苗政権は、広がる危惧と批判の声に背を向け、皇室典範改定法案を強行成立させました。
女性・女系天皇の道を閉ざす一方、旧宮家から赤の他人ともいえる養子を迎え、その子が男なら皇位継承資格を持つとします。国民の世論とかけ離れたものです。
天皇の地位を「主権の存する日本国民の総意に基づく」とする憲法の条項と精神に反し、女性差別を助長する暴挙です。
衆参それぞれ3時間あまりの審議で押し切った自民、維新の会はきびしく非難されなければなりません。徹底的な審議を求めず、強引な議会運営に追随し、賛成した一部野党もその責任が問われます。
■「二大課題が使命」
「国民の総意」でも「立法府の総意」でもないにもかかわらず、高市政権が、「男系男子の継承」に固執し、突っ走る背景には、改憲右翼勢力とともに皇室典範改定と憲法改悪を「戦後レジームからの脱却」の至上命令として追求していることがあります。
高市首相が昨年の自民党総裁選で「日本の政治家として次の二つ以上に大切なことはない」としたのが、「皇統を男系で引き継いでいかれるよう皇室典範を変える」、「自衛隊の存在を憲法にきちんと書き込む」ことでした。
「男系男子の継承」と憲法改悪を二大課題とし、一体のものとして追求するのは、改憲右翼勢力に共通するものです。日本会議の谷口智彦会長は、「高市さんが首相になった意義というのは二つです。憲法改正と、皇統の将来にわたる安定的な男系維持のための皇室典範改正。これが高市さんに託された歴史的使命なのです」とまったく同じことを述べています。
高市首相支持グループ「国力研究会」事務局長の山田宏参院議員が名誉顧問を務める「皇統を守る会」の要望書は、男系継承を求め、養子を可能にする皇室典範改定を目指すとした自民・維新の政権合意の実現を強く要請。旧宮家の「臣籍降下」を「皇統断絶を狙ったGHQの遠謀」「占領政策の象徴」と非難し、「皇籍復帰実現は…『戦後レジーム』から脱却するための突破口にもなり得る」と狙いを隠しません。
「戦後レジームからの脱却」とは、憲法を中心にした戦後の民主化を否定しようというものです。
■特異で危険な立場
改憲団体の共同代表を務める櫻井よしこ氏は、皇室典範改定をめぐる動きを「安倍晋三元首相が掲げた戦後レジームからの脱却の、核心部分に首相が到達しようとしている」と手放しで評価し、「皇室典範改正を達成した暁には、…憲法改正が待ち受けている」(「産経」6日付)とあけすけに述べています。
「戦後レジームからの脱却」を掲げ「男系男子の継承」に固執する特異で危険な立場から皇室典範改定案を作成したために、国民の総意に反し、審議のすすめ方も、あまりにも乱暴なものになったのです。
日本共産党は改めて浮き彫りになった憲法敵視、男尊女卑の高市政権の危険な政治に真正面から対峙(たいじ)します。

