(写真)県政報告をする玉城デニー知事=5日、沖縄県名護市
沖縄県知事選の9月13日投票(8月27日告示)まで2カ月を切りました。戦争国家づくりを狙う高市政権が沖縄の軍備増強を進め、県民の間に沖縄が標的とされるのではとの不安が高まる中、沖縄の命運がかかった一大政治戦となります。「沖縄を二度と戦場にさせない」として、他国攻撃のための長射程ミサイル配備にノーを表明する玉城デニー知事(66)=現=と、自民党などに担がれ、軍備増強の押しつけに理解を示す前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)=新=による事実上の一騎打ちです。
緊張招く軍拡やめ 対話で平和構築を
自民党政権は、宮古・八重山をはじめ沖縄の島々で、ミサイル配備や陸上自衛隊第15旅団の師団化などの自衛隊増強を進めています。住民に十分な説明もしないまま、急ピッチで強行。他国領土まで届くため、攻撃目標にされうる長射程ミサイルの沖縄配備も狙っています。いずれも米国の戦略に追従し、沖縄の戦場化を想定したものです。
これらの動きに対しデニー知事は、4月の立候補表明で警鐘を鳴らしました。米軍基地が集中する現状の上に、自衛隊を急激に増強することはかえって地域の緊張激化を招き、不測の事態が生じることも懸念されていると指摘。「ましてや沖縄が攻撃目標になることは決してあってはならない。専守防衛に反した長距離ミサイルの配備に断固反対する」と述べました。
同時に、武力ではなく対話と外交で問題解決を図るべきだと強調。県独自に取り組む地域外交を推進し、「アジア・太平洋地域の平和構築や相互発展に積極的な役割を果たしていく」と決意を語っています。
対する古謝氏は、自衛隊増強について「必要性は理解する」(3月の出馬表明会見)と、容認する考えを示しています。
普天間基地返還・辺野古断念でこそ
住宅密集地のど真ん中に居座り、米軍ヘリの墜落や部品落下などの命を脅かす事故が繰り返されてきた米軍普天間基地(同県宜野湾市)。日米両政府が基地を返還(閉鎖)すると合意し、今年で30年がたちましたが、閉鎖が実現するどころか、危険性は放置されたままです。一日も早い運用停止と閉鎖・撤去は、保守や革新などの政治的立場を超えて多くの県民が願う最優先課題です。
ところが自民党政権は、普天間に代わる新たな基地を名護市辺野古に造り、辺野古への「移設」をもって普天間返還の「唯一の選択肢」とする、破綻した計画にしがみついています。
辺野古新基地建設は、軟弱地盤の改良に伴う難工事に直面し、工期が大幅に長期化。いつ完成するか見通しは立っておらず、政府は普天間の返還時期を示すことすらできていません。辺野古への固執が普天間基地の危険性を固定化し続ける元凶となっています。
その上、米国防総省は「別の長い滑走路」が用意されない限り、「(辺野古が完成しても)普天間は返還されない」とする見解を再三、公式文書に明記しています。
日本政府は「返還されない事態は想定していない」と繰り返すだけ。米軍占領下で県民の土地を無法に奪って造られた普天間の返還と引き換えに、多くの条件をのませようとする横暴な米国に何らものが言えません。もはや自民党政権には、普天間問題を解決する当事者としての意識も、能力もないと言わざるを得ないのが実態です。
また、新基地建設を巡って県による辺野古埋め立て承認の撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、辺野古の住民らが撤回の効力の回復を求めた抗告訴訟の上告審判決で、最高裁は13日、住民3人の原告適格(裁判を起こす資格)を認めました。新基地を巡る訴訟では、県や住民の側に原告適格がないとして、国交相裁決の違法性を審理することなく門前払いにされる不当判決が続いてきましたが、今回の判決で初めて実質的な審理に入ることになります。
デニー知事は、辺野古新基地建設について「基地の永久固定化でもあり断固として認められない」と、一切ブレることなく訴えています。普天間基地を返還しないとする米政府に対しては、新基地を容認してきた人々も含め県民を裏切るもので「許せない」と糾弾。新基地建設の断念を求める声を県民の揺るがぬ意思として、国際社会へ発信していく意義を説いています。
30年たつのに返還合意が実現しない“空手形”をふりかざし、普天間基地の危険性を放置し続ける日米両政府と足並みをそろえるのが古謝氏です。辺野古新基地建設の容認を表明した上で、日米の安全保障関係などを前提にすれば、「普天間の機能は(県内の)どこかに必要」と主張。日米安保の枠組みを優先し、県民の多数が2019年の県民投票で突きつけた辺野古ノーの民意を軽視する立場をあらわにしています。
誇りある豊かさへ 経済活性化の実績
デニー県政は、沖縄の自立的発展、県民一人ひとりが豊かさを実感できる社会をめざし、「基地のない平和で誇りある豊かな沖縄」を掲げてきました。
農林水産業や中小企業などの支援で県経済を活性化させ、それに伴い県の自主財源・税収が大きく伸びました。県の26年度一般会計予算は史上最高の9千億円台に達し、自民党を含め全会一致で可決。中学卒業までの医療費窓口無料化、学校給食費無償化に向けた補助、バス・モノレール通学費支援をはじめ、子育て世代や困窮するひとり親家庭、高齢者、中小企業など支える施策を数多く実現してきました。
いずれも自民党県政時代には実現しなかったことばかりです。子どもの貧困率が29・9%から20・2%へ改善するなど、「誰ひとり取り残さない優しい社会」を追求し、デニー県政は前に進めてきました。これらの豊かな実績について、多くの県民に知らせることが求められています。
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知事選には、下地幹郎元衆院議員(64)=新=も出馬を表明しています。

