陸上自衛隊の垂直離着陸機V22オスプレイが配備されている佐賀駐屯地が、昨年7月に運用を開始してから1年がたちました。小泉進次郎防衛相は今後、V22の訓練を九州から沖縄に拡大する方針を示しました。
沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)には、MV22オスプレイ20機が配備されています。沖縄県は一貫して配備に反対しています。これに加え、陸自オスプレイの訓練が常態化すれば、事故の危険など沖縄の負担は一層増します。断じて許されません。
陸自オスプレイは、島しょへの上陸作戦を行う、日本版海兵隊・水陸機動団の輸送が主な任務です。千葉県の木更津駐屯地に暫定配備されていましたが、長崎県の相浦駐屯地を拠点にする水陸機動団と一体運用するため、佐賀駐屯地が昨年7月9日に開設され全17機が移駐しました。
■民間空港の使用も
小泉防衛相は今月10日の記者会見で、陸自オスプレイが佐賀駐屯地移駐後、九州各地で訓練を行ってきたとし、「飛行の習熟度をさらに高め、災害対応の場面などでその能力を十分に活用するため、今月以降、沖縄県を含めた空域での飛行訓練を計画している」と述べました。
小泉防衛相は「災害対応」のためと述べる一方、「南西地域を含む島しょ部の防衛能力の強化は喫緊の課題」だと強調しました。沖縄への訓練拡大が「戦時対応」のためであることは明らかです。
陸自オスプレイは、自衛隊基地が隣接する那覇空港をはじめ、石垣空港や宮古空港など民間空港を使用すると報じられています。先月実施された日米共同訓練レゾリュート・ドラゴンでは、既に陸自オスプレイが、災害対処訓練の一環として普天間基地や宮古空港を初めて使用し、石垣空港にも飛来しています。
日本共産党の田村智子委員長は14日の衆院安全保障委員会で、政府自身が「世界一危険」と言う普天間基地を陸自オスプレイが使用したことを厳しく批判。今年度、那覇空港と与那国駐屯地(沖縄県)で最低安全高度(人口密集地で300メートル)以下の低空飛行を計画していることなどを告発し、中止を求めました。
■攻撃の目標になる
オスプレイは、多発する墜落事故や部品の不具合などのため、飛行停止措置を繰り返してきた欠陥機です。
日本では、普天間基地のMV22が2016年に沖縄県名護市沿岸に、23年には米空軍横田基地(東京都)のCV22が鹿児島県屋久島沖に墜落。陸自オスプレイも24年に与那国駐屯地で地面との接触事故を起こしています。
沖縄県の玉城デニー知事は陸自オスプレイの訓練拡大は「県民に事故の危険性への不安を生じさせる」と述べ、「見直しを求めるなど適切に対応する」と表明しています。(沖縄タイムス11日付)
沖縄では、ミサイル部隊の配備や陸自第15旅団の規模をより大きくする師団化など軍事態勢の強化が進んでいます。米軍基地の集中に加え、沖縄が攻撃目標になるリスクをさらに高めるものです。今必要なのは、軍事緊張を緩和するための平和外交です。

