沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、周辺住民4人が裁決の取り消しを求めた抗告訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(宮川美津子裁判長)は13日、住民4人のうち3人の原告適格(裁判を起こす資格)を認める画期的判決を下しました。判決は3人については一審に差し戻したため、国交相裁決の違法性と県の撤回処分の適法性が地裁で審理されることになります。
(写真)最高裁による原告適格を認める判決を報告する(左から)原告の金城武政さんと中村昌樹弁護士=13日、最高裁正門前
同訴訟は2019年に提起され、一審の那覇地裁判決(22年4月)は、裁決が違法かどうかに立ち入らず、原告適格も認めず訴えを却下。住民は22年5月に控訴し、福岡高裁那覇支部が24年5月、4人全員に原告適格を認め、一審判決を取り消し地裁に差し戻していました。
二審判決を不服とした国は上告しましたが、最高裁は原告3人について国の上告を棄却し、二審の判決を支持。新基地建設・供用に伴う「騒音、振動等によって健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者」に当たるなどとして原告適格を認めました。
判決後、原告適格が認められた金城武政さん(69)は最高裁前で、今後の審理について「みんなで一生懸命力を合わせ、諦めなければどんな裁判でも進んでいける。これは沖縄だけの問題ではない。市民が頑張ればできる」と述べました。
同新基地を巡り沖縄県が国を相手に起こした訴訟では、裁判所が実質的な審理を行わず訴えを却下する「門前払い」の判決が相次いでいました。今回の訴訟の原告代理人の中村昌樹弁護士は「やっと中身の議論に入れることになった」と指摘。金城さんは、裁判で「県が言えなかったことを私たちがどんどん言って挑戦する」と力を込めました。

