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2026年7月12日

「戦争国家」の実相

自衛官治療に民間病床
安保3文書改定で政府 「長期消耗戦」想定

 防衛省が年末に予定している安保3文書改定で、ロシアのウクライナ侵略のような「長期消耗戦」を想定し、負傷した自衛官を治療するために民間病床や医療従事者の「確保」を検討していることが分かりました。高市政権は「国力」を総動員した「戦争国家」づくりに着手しており、医療の本格的な動員も狙われています。


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(写真)宮古島駐屯地内で、救急車に患者役の隊員をのせる日米の隊員=6月27日、沖縄県宮古島駐屯地

 現行の安保3文書は、「台湾有事」など米中の武力衝突に自衛隊が参戦し、大量の負傷者が発生することを想定して、沖縄・南西諸島での「シームレスな医療・後送態勢」の確立を明記。自衛隊那覇病院の病床を50床から200床に増床するなど、自衛隊病院の拡充を進めています。

平時業務に支障

 一方、3文書改定に向けた防衛省資料は「自衛隊病院等が保有する病床(2460床)のみでは不足する恐れがある」「現員の自衛隊医官等のみで衛生業務を行うことが困難」などと指摘。長期にわたって戦闘を継続する「継戦能力」を強化するため、「病床・医療従事者の確保について検討する」としています。過酷な戦場で負傷した自衛官の治療・回復を行い、再び戦力として戦場に送り込む機能を持たせる狙いです。

 しかし、政府は「人口減少」を想定して全国で病床削減を進めており、医療従事者も深刻な不足に陥っています。こうした現状を放置したまま医療機関を自衛官の治療に動員した場合、民間人負傷者の治療に手が回らなくなる危険があります。また、「平時」においても医療従事者が訓練に動員され、業務に支障が出るおそれもあります。

米戦争に動員も

 医療従事者の軍事動員を巡っては、2003年に成立した有事法制に基づき、「武力攻撃事態」で医師、歯科医師、薬剤師、看護師、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師に「業務従事命令」(自衛隊法103条に基づく自衛隊法施行令)を出すことが可能になりました。さらに、15年に強行された安保法制により、米軍の戦争に参戦する「存立危機事態」などで医療従事者が動員される可能性があります。