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2026年7月11日

日本共産党と欧州左翼の連携拡大

緒方副委員長、欧州左翼会派・同盟と関係確立

 【ストラスブール=米沢博史】日本共産党の緒方靖夫副委員長は、米沢博史国際局員とともに、フランス東部ストラスブールの欧州議会で7~8日、欧州議会左翼会派や欧州左翼同盟の代表らと相次いで会談し、日本共産党との関係の発展や共同の取り組みについて意見交換しました。


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(写真)欧州議会左翼会派シルデワン共同議長(左から2人目)と会談する緒方副委員長(右から2人目)、米沢博史国際局員(右)=8日、ストラスブール

 緒方氏は、左翼会派共同議長のマルティン・シルデワン氏(ドイツ左翼党)と会談し、この枠組みの関係を確認し、協力を広げていくことで一致しました。

 欧州議会左翼会派には、欧州左翼党(2004年5月結成)と欧州左翼同盟(24年8月結成)のそれぞれの加盟政党が参加しています。欧州左翼同盟には、服従しないフランス、北欧の左翼政党、イタリア左翼などが加盟しています。

 日本共産党は加盟各党との個別の交流はありましたが、今回、欧州左翼同盟共同議長のカタリーナ・マルティンス氏(ポルトガル左翼ブロック)と初めて会談し、日本共産党と欧州左翼同盟との関係を確立するとともに、今後の協力を確認しました。これにより、日本共産党は欧州左翼との幅広い関係を築くことになります。

 このほか、各党代表らとも会談し、日本の情勢や日本共産党の活動について説明するとともに、共通課題や今後の協力について意見を交わしました。

 主な会談の概要は次の通りです。

日独に共通性 「協力が重要」
左翼会派共同議長 マルティン・シルデワン氏

 シルデワン氏は、共同議長として、今回の緒方氏の訪問と総会での発言が双方の発展にとって重要な意義を持ったことを確認しました。今後どのようにして関係を発展させていくかの点について、共通課題での共同に加えて理論分野での交流を含めていくことになりました。

 シルデワン氏は、昨年訪日の際に、志位議長から日本語の著作を受け取っており、今回、英語版『自由に処分できる時間と資本論』を受け取り、その趣旨を聞くなかで、この提案が出されました。

 ドイツと日本は第2次世界大戦後、戦禍から復興の歴史に加えて、ドイツでは年金支給開始年齢67歳を70歳に引き上げるなど社会制度の改悪で共通性があり協力が重要と指摘しました。

理論も実践も経験の交流を
欧州左翼同盟共同議長 カタリーナ・マルティンス氏

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(写真)欧州左翼同盟のマルティンス共同議長(左)と会談する緒方副委員長=8日、ストラスブール(米沢博史撮影)

 マルティンス氏は、日本共産党と関係を確立できたことは欧州左翼同盟にとっても重要だと歓迎。2年前に結成された経過と加盟組織の紹介をし、平和と民主主義、環境問題に取り組んでいること、今後さらに大きな組織に成長させていきたいと表明しました。

 緒方氏は、加盟している個々の政党とはすでに関係を持ってきたことを党ごとに説明し、今回、組織全体として関係を確認したことに重要な意味があると指摘しました。

 マルティンス氏は、極右への投票は、国民の苦しみの解決に逆行すると指摘。極右が連携している時に、左翼も大陸を超えて理論面でも実践面でも経験を交流したいと表明しました。

志位議長著作「重要な提起」
左翼会派副議長 マルク・ボテンガ氏(ベルギー労働党)

 ボテンガ氏は、「タックス・ザ・リッチ(富裕層に課税せよ)」というスローガンを最初に提起したのはベルギー労働党だと言われているとの問いに「そうだ」とうなずきました。「リッチ」だけでは意味があいまいな点があり、適切な表現を検討していると説明しました。

 緒方氏から志位議長の英語本を受け取ると、「すでに読んだ。日本語版を贈呈してもらい、翻訳して読んだ」と応じました。その上で、「個人の自由と時間に着目して『資本論』を掘り下げた重要な提起だ。読みやすく分かりやすい解明となっており、重要な貢献だ」と評価しました。

ロシア警戒など国内情勢語る
ヨナス・シェーステット氏(スウェーデン左翼党元党首、欧州議会議員)

 9月に総選挙が行われ、スウェーデン左翼党は10%ほどの支持を伸ばすために活動を強めている。現在、極右が政権に参加していることに加え、国内世論では、ロシアへの警戒心が非常に強く、NATOに加盟したのち(同党は国会で反対投票)、軍拡とウクライナへの武器を含む支援の拡大賛成が強まっている情勢を説明。外国軍基地は現在国内に存在しないが、設置の可能性も否定できない情勢でもあると述べました。

 トランプ政権が無謀を重ねるもとで、欧州での米国と距離を置き、グローバルサウス、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を強める新たな動きについても述べました。

伝統の関係の回復よろこぶ
イタリア左翼 ジョルジュ・マラサ国際責任者

 10年ぶりに欧州議会で議席を回復し2議席、イタリア下院で4議席、上院で2議席の勢力となり、欧州左翼同盟に加盟したことなどを説明。今後、交流を強めることで合意しました。

 志位議長が24年にベルリン国際会議で会ったイタリア左翼の長老ルチアーナ・カステリーナ氏の話をすると、「われわれの大先輩だ」といって、その場で写真を撮ってメールで送り、伝統の関係の回復と喜んでいました。

 ヨーク大学のマルチェロ・ムスト教授との理論交流の話をすると、教授をよく知っているし、イタリアにも講演などで訪問していると語っていました。

 イタリア共産党が1991年に解散したことは、イタリア労働運動にとって深刻な問題であり、大きな誤りだと強調。政権に参加するために、その障害となっていた北大西洋条約機構(NATO)反対を取り下げたことが大きな理由の一つだと説明しました。

欧州左翼会派総会での緒方副委員長の発言(要旨)

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(写真)緒方副委員長の発言を聞く欧州議会左翼会派総会=7日、ストラスブール(米沢博史撮影)

 欧州左翼会派総会に招かれ、発言の機会をいただいたことは日本共産党にとって大きな名誉であり、心から感謝します。私は、日本と欧州の議会の会議に何度か出席したことはあるのですが、左翼会派と日本共産党が会合をもつことは初めてであり、画期的です。

 日本共産党と欧州左翼会派は、ユーラシア大陸の東と西で地理的な距離を超えて共通の挑戦課題を持って活動している同志、友人です。新自由主義による差別と分断に反対し、その産物でもある極右の台頭を抑え、国連憲章に基づく国際秩序の再建・強化に取り組んでいます。交流を通じて、先進的な経験から学びたいと願っています。

 (党についての紹介。過去60年の間に、選挙ではジグザグをくり返してきた経過と現在を紹介。党員数と機関紙発行部数を紹介)

 日本は、中国、ロシア、アメリカの三つの大国に隣接しており、欧州にない特徴があります。日本政治には、米従属と財界・大企業への奉仕という二つの重大な病根があり、現在の右派政権はその傾向を加速させています。首相がトランプ大統領について“平和をもたらしている”との追従で笑いものになったことはご承知の通りです。

 (日本での大軍拡、「戦争ができる国」づくり、平和憲法改悪に反対する日本共産党のたたかい、運動を紹介)

 国民生活も深刻です。日本は、30年前に世界の18%を占めていたGDP(国内総生産)が今日4%となっており、この「失われた30年」の間に、日本は実質賃金が後退した唯一の先進国となっています。

 過労死と長い労働時間で悪名の高い日本で、労働時間の短縮のたたかいを進めています。“共産主義には自由がない”という伝統的な反共攻撃に対して、われわれこそが各個人の自由で全面的な発展の擁護者であり、自由の鍵は「自由に処分できる時間」だと提起しています。

 (世界情勢の特徴と核兵器を含む軍拡競争の激化による重大な危険などを指摘)

 われわれ双方は、平和、核兵器廃絶、気候危機、ジェンダー平等など共通の課題で共同を強めることを願っています。