日本共産党の塩川鉄也議員は10日の衆院議院運営委員会で質問に立ち、男系男子による皇位継承を不動の原則にし、養子皇族の男子に天皇になる資格を与える皇室典範改定案は矛盾だらけであることを明らかにしました。
塩川氏は、女性天皇、女系天皇の問題を正面から議論すべきだと提起。多様な性を持つ国民の「統合の象徴」と憲法が定める天皇を男性に限定する合理的な理由はないと主張し、「なぜ女性ではダメなのか。なぜ男系男子にこだわるのか」とただしました。
木原稔官房長官は「男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえ」現典範は男系男子による継承を規定しているなどと答弁しました。
塩川氏は、日本国憲法の第2条は、戦前の大日本帝国憲法にあった、男系男子を意味する「皇男子孫」が継承するという文言を削除したと指摘。1946年の憲法制定議会で当時の金森徳次郎国務大臣は削除した理由について、「男女の区別については法律問題として自由に考えてよろしいという立場」と答弁しており、「女性天皇の検討も議論もせずに、女性天皇の道を閉ざす高市政権の姿勢は、80年前の議論からも後退している」と批判しました。
法案が養子の対象とする旧11宮家は47年に自らの意思で皇籍を離脱し一般国民となった人々だと指摘。現典範にのっとり皇室を離れた人の子孫を皇族に戻すため、養子禁止規定を覆すことは大きな矛盾だと追及しました。また、旧11宮家の男系男子と今の天皇は「いったい何親等の隔たりがあるのか」と質問。宮内庁の緒方禎己次長は「36から38親等の隔たりがある」と答えました。
塩川氏は、600年前の室町時代までさかのぼる遠い血筋の人を養子にするのは、2005年の政府有識者会議の報告書が広く国民の理解と支持を得るのは困難だと否定していると強調しました。さらに、一般国民として生まれ育ってきた旧宮家の人々を特別な身分である皇族にすることは、「憲法14条1項が否定した門地による差別に抵触する」と強調。そのうえ、法案は旧宮家の男系男子の子孫を将来にわたり養子候補とするもので、準皇族ともいうべき新たな特別身分をつくるものだと批判しました。
男系男子による皇位継承に固執する皇族養子は矛盾だらけだとし、「かつての家制度のもとで男の子を産むことを強制し、多くの女性たちを苦しめてきた日本社会の姿と重なる」と指摘。「現在の日本社会における女性差別を助長するものだ」と批判しました。
塩川氏は同日の衆院内閣委員会で、養子縁組が行われる際に第三者の関与やマッチングのルールがあるのかをただしました。木原官房長官は決めていないと答弁。塩川氏は、政治家などが養子縁組に関与し、天皇の制度の政治利用を引き起こすことに危惧を示しました。

