政府と一部の政党による「社会保障国民会議」の議論が破綻に直面しています。
6月24日に示された中間とりまとめ案は、2027年4月から29年3月までの2年限定で食料品の消費税率を1%にするとします。2年後に8%に戻れば大増税だけが国民にのしかかります。
「国民会議」は、高市早苗政権が導入を目指すとした「給付付き税額控除」と、導入までのつなぎとしての「2年限定の食料品消費税率ゼロ」を議論し、6月中にとりまとめるとしていました。しかし、参加する野党から異論が出てまとまっていません。
先の総選挙では1党を除く全党が消費税減税を公約しました。当然、選挙後の国会で直ちに、最も効果的な減税方法や財源を議論すべきでした。
■困窮者に給付なし
ところが、最初から「2年間、食料品のみ」と結論を決め、消費税廃止を求める日本共産党などを排除。「給付付き税額控除の実現に取り組む政党」に参加を限り、中心テーマを消費税減税から給付付き税額控除にすり替えました。しかも、給付付き税額控除は制度が複雑になるとして、結局、まったく別の、給付のみの制度が提案されました。
消費税減税終了後、その代わりとして29年秋ごろから本格導入するという「所得に連動した給付」案は、給付対象を、仕事に就き一定の税・社会保険料負担がある人に限定しています。年金受給者はほとんど対象にならず、働けない人、失業者も給付されません。
最も困窮している層(年収106万円あるいは74万円以下を想定)も対象外です。また、一定の所得を超すと給付が打ち切られますが、そのラインは年二百数十万円程度が検討されています。給付対象者は1千万人程度とみられ、中間層を含め多くの国民は対象外です。給付額は「恒久財源の確保とあわせて検討」としますが、財源は何も示されていません。
給付案は、物価対策や収入増を求める国民の声に応えるものではなく、消費税減税に代わりうるものではまったくありません。
■財源の議論がない
消費税減税を食品に限ることで外食産業や農家などが打撃を受けます。中間とりまとめ案は「対応を検討する」「影響を見極めた上で…検討する」というだけです。複数税率が残るため、小規模事業者やフリーランスを苦しめるインボイス制度も残ります。
重大なのは、消費税減税でも給付制度でも、財源に触れていないことです。国債頼みとなれば、財政悪化の懸念からさらなる円安を招き、物価高騰につながります。
すべてのものの値段が上がるなか、消費税を一律に減税し、廃止を目指して当面5%に下げるのが最も迅速で合理的、効果的です。財源は、巨額の利益を上げているにもかかわらず年間12兆円もの減税をうけている大企業や、富裕層への不公正な優遇税制をただすことで生み出せます。
国民会議に議論を投げたことで、総選挙から5カ月もたって結局、消費税減税は先延ばしです。国会で早急に、廃止を含め消費税減税そのものを議論すべきです。

